STAAD.Pro Help

TR.42 出力の設定

このコマンドは、さまざまなモデルの情報や解析結果を出力するようにプログラムに指示するために使用します。STAAD.Proには、出力をカスタマイズするために使用できる多様な出力コマンドが多数用意されています。

一般的な書式

データに関連する出力コマンド

PRINT { PROBLEM STATISTICS | JOINT COORDINATES | MEMBER PROPERTIES | ELEMENT INFORMATION (SOLID) | MATERIAL PROPERTIES | SUPPORT INFORMATION | ALL } { (ALL) | LIST item/joint/member-list }

重心位置の出力

PRINT CG (_group_name)

解析結果の出力

PRINT { (JOINT) DISPLACEMENTS | MEMBER FORCES (GLOBAL) | ANALYSIS RESULTS| MEMBER SECTION FORCES | MEMBER STRESSES | ELEMENT (JOINT) STRESSES (AT f1 f2) | ELEMENT FORCES | ELEMENT (JOINT) STRESSES SOLID | MODE SHAPES } list-spec
list-spec = { (ALL) | LIST joint/member/elements-list }

サポート反力の出力

PRINT SUPPORT REACTIONS

層変形と層剛性の出力

PRINT STORY DRIFT (f3)
PRINT STORY STIFFNESS

各床における剛性の中心位置の出力

PRINT DIAPHRAGM CR 

アドバンスドケーブル解析後のケーブルの形状変形(サグ)の出力

PRINT CABLE SAG 

説明

項目のリストは、PRINT ANALYSIS RESULTSPRINT MODE SHAPESコマンドに対しては適用されません。

PRINT JOINT COORDINATESコマンドは、すべての読み込まれたジョイントの座標を出力します。

PRINT MEMBER INFORMATIONコマンドは、メンバー長さ、メンバー生成、ベータ角、メンバーがトラス部材であるか、およびメンバーの始点と終点におけるリリース条件(1=リリース、0=拘束)を含めたすべてのメンバー情報を出力します。

PRINT ELEMENT INFORMATIONコマンドは、すべての生成されたジョイント、エレメント厚さ、およびプレート/シェル要素のポアソン比を出力します。PRINT ELEMENT INFORMATION SOLIDコマンドは、ソリッド要素に対する同様の情報を出力します。

PRINT MEMBER PROPERTIESコマンドは、断面積、断面2次モーメント、および両軸の断面係数を含むすべてのメンバー特性を出力します。特性用の単位は、UNITコマンドで設定された単位にかかわらず、常に(FPS、またはMETRICに依存して)INCH、またはCMです。

次の表記は、メンバー特性の名称用に使用されます。

AX
断面積
AY
一般的な曲げ剛性に加えて純せん断を考慮するために、ローカルY軸におけるせん断/曲げ剛性の調整のために使用される面積
AZ
一般的な曲げ剛性に加えて純せん断を考慮するために、ローカルZ軸におけるせん断/曲げ剛性の調整のために使用される面積
IZ
ローカルZ軸についての断面二次モーメント
IY
ローカルY軸についての断面二次モーメント
IX
ねじり定数
SY
ローカルY軸についての最小断面係数
SZ
ローカルZ軸についての最小断面係数

PRINT MATERIAL PROPERTIESコマンドは、E(ヤング係数)、G(せん断弾性係数)、密度、およびフレームメンバーの熱膨張係数(アルファ)を含むメンバーのすべての材料特性を出力します。このコマンドは、メンバーに対してのみ有効です。コマンドが荷重ケースの前にあり、ポアソン比が入力され、Gは入力されていない場合には、リストでGをゼロとすることができます。  

PRINT SUPPORT INFORMATIONコマンドは、すべてのサポートの固定度、リリース、および、もしあらるならば、ばね定数の値を考慮した情報を出力します。LISTオプションは、このコマンドに対しては利用できません。

PRINT ALLコマンドは、上記の5つのコマンドを合成したものと等価です。このコマンドは、ジョイントの座標、メンバー情報、メンバー特性、材料の特性とサポート情報を、この順番で出力します。

PRINT CGコマンドは、重心の座標と構造物の全重量、すなわちメンバー/エレメントの1つのグループの重量を出力します。構造物のある部分の重心が要求される場合、その部分のメンバーとエレメントは、グループ名を使用して割り当てられる必要があります(グループ名の使用の詳細については、「TR.16 単一オブジェクトとしてのエンティティ」を参照)。重心の計算には、構造物の自重のみが使用されます。ユーザー定義のジョイント荷重、メンバー荷重などは、重心の計算では考慮されません。 

PRINT (JOINT) DISPLACEMENTSコマンドは、テーブル形式のジョイント変位を出力します。6方向すべての変位は、設定されたすべての荷重ケースに対して出力されます。変位用の長さの単位は、UNIT コマンドで設定された単位にかかわらず、常に(FPS、またはMETRICに依存して)INCH、またはCMです。

PRINT (MEMBER) FORCESコマンドは、メンバー力(すなわち、軸力(AXIAL))、ローカルY、Z軸におけるせん断力(SHEAR-YとSHEAR-Z)、ねじりモーメント(TORSION)、ローカルY、Z軸についてのモーメント(MOM-YとMOM-Z)を、リストに挙げられたメンバーを対象に、設定されたすべての荷重ケースに対して表形式で出力します。GLOBALオプションを使用すると、メンバーごとのローカル座標系ではなく全体座標系における力が出力されます。

PRINT SUPPORT REACTIONSコマンドは、全体座標におけるサポート反力を、設定されたすべての荷重ケースに対して、表形式で出力します。選択されたジョイントに対してLISTオプションを使用してください。 

PRINT ANALYSIS RESULTSコマンドは、上記3つのコマンドの合成と等価です。このコマンドにより、ジョイント変位、サポート反力、およびメンバー力が、この順番に出力されます。

PRINT (MEMBER) SECTION FORCESコマンドは、 既に入力されているSECTIONコマンドにより設定される中間断面のせん断と曲げモーメントを出力します。設定されたすべてのケースに関して、第1に要求されるメンバーに対して表形式で出力が実行され、その後、次のメンバーに対して実行され、さらにその次と続きます。

注記: PRINT JOINT DISPLACEMENTPRINT MEMBER FORCESPRINT SECTION FORCESPRINT MEMBER STRESS、またはPRINT SUPPORT REACTIONの出力で限界荷重ケース番号の後に付けられたアスタリスクは、その荷重ケースが生成された荷重組み合わせであることを示します。詳細については、「TR.35 荷重組み合わせの設定」を参照してください。

PRINT (MEMBER) STRESSESコマンドは、始点ジョイント、終点ジョイント、および設定された中間断面におけるメンバー応力を表形式で与えます。これらの応力は、軸応力(すなわち、軸力割る面積)、曲げ-y応力(すなわち、モーメント-y割るローカルy軸の断面係数)、曲げ-z応力(すなわち、モーメント-z割るローカルz軸の断面係数)、ローカルy、ローカルz方向のせん断応力(せん断流q割るせん断面積)、および合成応力(軸力、曲げyと曲げzの組み合わせ)を含みます。

  • 角形断面に対して、AYとAZが与えられない場合、全断面積(AX)が使用されます。
  • テーパー付き断面に対しては、AYとAZは応力が出力される位置に対するものです。 そのため、位置0.0において、AYとAZは、始点ジョイントにおけるメンバーの寸法に基づいています。

PRINT ELEMENT STRESSESコマンドは、プレート/シェルのプレート応力(SX、SY、SXY、SQX、SQY)、単位幅あたりのモーメント(MX、MY、MXY)、および主応力(SMAX、SMIN、TMAX)を出力するために使用される必要があります。通常は、図心における応力と単位幅あたりのモーメントが出力されます。主平面の方向を定義する角度(ANGLE)だけでなく、ミーゼス応力(VONT、VONB)も出力されます。

出力で表示される変数は、次のとおりです。これらの変数の詳細については、「G.5.1 Plate and Shell Elements」を参照してください。

SQX
Z方向のローカルX面におけるせん断応力
SQY
Z方向のローカルY面におけるせん断応力
MX
ローカルX面についての単位幅あたりのモーメント
MY
ローカルY面についての単位幅あたりのモーメント
MXY
ローカルX-Y面についての単位幅あたりのねじりモーメント
SX
ローカルX方向の軸応力
SY
ローカルY方向の軸応力
SXY
ローカルXY面についてのせん断応力
VONT
エレメント上面におけるミーゼス応力
VONB
エレメント下面におけるミーゼス応力
TrescaT
エレメント上面のトレスカ応力
TrescaB
エレメント下面のトレスカ応力
SMAX
最大面内主応力
SMIN
最小面内主応力
TMAX
最大面内せん断応力
ANGLE
最大主応力の方向を決定するローカルX軸に対する角度
注記: JOINTオプションが使用される場合、エレメントの図心に加えて、ノード点における力とモーメントも出力されます。

エレメント内で設定された任意点におけるエレメント力を出力するためにATオプションが使用されます。ATオプションは、f1とf2を伴う必要があります。f1とf2は、応力とモーメントの要求される点のローカルX、Y座標(現単位系における)です。エレメントのローカル座標系の詳細については、「G.5 Finite Element Information」を参照してください。

PRINT ELEMENT FORCESコマンドにより、プレートの全体座標軸方向の"コーナー力"[ Fp = Kp • Dp ] の出力が可能となります。

PRINT ELEMENT (JOINT) STRESS SOLIDコマンドにより、ソリッド要素の中心部の応力の出力が可能となります。出力で表示される変数は、次のとおりです。

垂直応力
SXX、SYY、およびSZZ
せん断応力
SXY、SYZ、およびSZX
主応力
S1、S2、およびS3
ミーゼス応力
SE
方向余弦
DCの表示の後に、初めの2つの主応力方向に対応する6つの方向余弦が表示されます。
注記: JOINTオプションは、ソリッド要素のノードにおける応力を出力します。

PRINT MODE SHAPESコマンドは、計算された各モードのジョイントの相対的な動作を出力します。最大動作は任意であり、意味を持ちません。動的解析は、スケールを決め、モード形を合成し、最終的な動的な結果を得ます。  

PERFORM ANALYSIS
PRINT ELEMENT JOINT STRESS
PRINT ELEMENT STRESS AT 0.5 0.5 LIST 1 TO 10
PRINT SUPPORT REACTIONS
PRINT JOINT DISPLACEMENTS LIST 1 TO 50
PRINT MEMBER FORCES LIST 101 TO 124

重心(CG)を出力

PRINT CG
PRINT CG _RAFTERBEAMS
PRINT CG _RIDGEBEAMS

注記

  1. これらのコマンドによって生成される出力は、現単位系に基づいています。ユーザーは、現単位系を確認して、必要ならば変更することができます。

  2. 結果は、すべてのジョイント/メンバー/エレメントに対して、または特定のリストに基づいて出力されます。

層変形と層剛性を出力

PRINT STORY DRIFTコマンドは、構造物の高さ方向に沿う各水平高さにおけるすべてのジョイントの横方向変位の平均を出力するために使用されます。

STAAD.Proで使用される層変位を計算する方法は、コードに依存しません。たとえば、ASCE 7-05コードの12.8.6節に説明される層変位の決定方法は、STAAD.Proには組み込まれていません

STAAD.Proに組み込まれている方法:

  1. モデル内の異なるY座標を探します。それらはSTAAD.Proで層と呼ばれます。

  2. それらの異なる層それぞれに対して、その層高さにあるすべてのノードを探します。

  3. 各層に対して、水平方向(XとZ)の平均変位を、その層にあるすべてのノードの対応する変位を足し合わせて、その層のノード数で割って求めます。このため、層を表すノードが1つだけの場合でも、その層の変位が計算されます。

STAAD.Proでは、PRINT STORY DRIFTコマンドを発行すると、特定の床レベルにあるすべてのジョイントの横方向変位の平均が出力されます。

層間変位をチェックするには、PERFORM ANALYSISコマンドの後に次のコマンドを発行する必要があります。

LOAD LIST i1
PRINT STORY DRIFT f3

指定項目:

  • i1 = 層間変位のチェックが必要な主荷重の番号
  • f3 = コードの規定による許容ドリフト係数

隣接する2つの床の間の相対的な横方向変位が計算されます。この計算値が許容限界に照らしてチェックされます。結果が"PASS"または"FAIL"のいずれかとして出力でレポートされます。

注記: この書式には1つだけ例外があります。2002年版IS 1893の静的地震荷重ケースについては、この係数が指定されていなくても、IS 1893の静的地震荷重であるかが内部的にチェックされます。該当する場合、層間変位が自動的に計算され、コードの規定に照らしてチェックされます。

2002年版IS 1893の動的な応答スペクトル解析には、上記の層間変位のチェックの書式は当てはまりません。これは、応答スペクトル解析においては、ジョイント変位は地震荷重時に発生する可能性が高い応答量の最大の大きさを表すためです。層変形のような応答量は、解析で考慮される各モードの実際の変位から計算する必要があります。各モードの層間変位をモーダル組み合わせを使用して組み合わせることで、この応答量の最大の大きさが取得されます。IS 1893の応答スペクトルの層変形を計算するには、「TR.32.10.1.7 2002年版IS:1893(パート1)に従った応答スペクトル仕様」で説明している荷重ケースのコマンドの書式を使用する必要があります。

PRINT STORY STIFFNESSコマンドは、ドリフトの判定に使用された各層の横剛性の計算値を含めるために使用されます。STAAD.Proでは、横剛性は床が剛床ダイアフラムとしてモデル化されている場合にのみ計算されます。これには、地震の際に層せん断とねじりモーメントを横力抵抗メンバーに伝達する役割があります。

剛性の中心と質量の中心を出力

PRINT DIAPHRAGM CRコマンドは、モデル内の各固定ダイアフラムの剛性の中心と質量の中心を出力するために使用されます。各床の横方向の力は、地震や風の荷重によって生成され、剛床ダイアフラムとしてモデル化された各フロアの剛性の中心に作用します。各床の質量の中心は、各床の質点系の平均位置と定義されます。床を固定ダイアフラムとしてモデル化する場合、この点に床の質量が集中すると仮定されます。この2点間の距離が地震荷重に自然のねじりモーメントを使用する場合の偏心になります。