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「メンバー仕様」ダイアログ

メンバー(ビーム)仕様の設定、修正に使用します。

「仕様 - 全体の構造」ダイアログで「ビーム」をクリックすると、このダイアログが開きます。

このダイアログには、異なるプレート仕様の追加に使用する複数のタブが含まれます。

「リリース」タブ

特定の自由度をリリースすることによってメンバーの端部条件を設定するのに使用します。リリースが設定されない場合は、すべてのメンバーはノードに剛接合されます。つまり、片持ちはりの自由端やサポートで支持されている端部を除いて、すべての自由度が拘束されます。

注記: 詳細については、「TR.22.1 メンバーリリースの設定」を参照してください。
設定説明
位置

メンバーを生成するリリースされたジョイントとして「始点」または「終点」を指定します。

リリースタイプ

「部分モーメントリリース」または「リリース」オプションを選択します。

部分モーメントリリース

部分リリース条件を定義するリリース係数を定義します。MPオプションは、3つのモーメント自由度(MX、MY、およびMZ)すべてに対して同じ部分リリースを設定する1つの方法です。

または、MPX、MPY、MPZオプションを使用して、各方向に異なるリリース係数を適用します。

リリース

「リリース」ラジオボタンをクリックして、メンバーのリリース条件を定義するFXFYFZMXMY、または MZ方向のチェックボックスをチェックします。KFX、KFY、...KMZエディットボックスを使用して、6自由度方向のばね定数を設定することもできます。たとえば、部材座標系のX方向にばね定数を定義するには、KFXエディットボックスにばね定数を入力します。

「引張」タブ

引張のみのメンバーを定義するのに使用します。これらのメンバーは、引張力のみを伝達することができます。

このメンバー仕様には付加パラメータがありません。

「プロパティ減少係数」タブ

低減係数の組を設定して、面積、断面二次モーメント、ねじり定数などの計算された断面特性に適用するのに使用します。

注記: 詳細については、「TR.20.10 メンバー特性低減係数」を参照してください。
メンバープロパティ減少係数を指定する方法を選択します。
  • 「グローバル」- 以下で使用する「減少係数」を指定します。これは、材料に関係なくあらゆるメンバーに適用されます。
  • 「コード固有」– 建物コードによって荷重ケースに固有の減少係数を使用する場合に、そのコードを選択します。これは、コンクリートメンバーにのみ適用されます。
    • IS1893 2016
設定説明
減少係数
剛性解析で使用される減少係数を指定します。これらの係数は、以下の断面特性に直接掛け合わせられます。
  • 断面積の減少係数(RAX)
    注記: IS1893 2016減少係数の場合、このプロパティ減少はコンクリートメンバーのコードによって義務付けられていないため、RAX入力フィールドは無効になります。
  • ねじり定数の減少係数(RIX)
  • 断面二次モーメントの減少係数(RIY)
  • 断面二次モーメントの減少係数(RIZ)
注記:
  1. 減少係数は解析でのみ考慮され、設計においては考慮されません。
  2. メンバークエリ機能を使用する場合、低減断面特性を使用した結果は利用できません。
注記: 自動剛性低減にはSTAAD.Pro Advancedライセンスが必要です。

「ケーブル」タブ

ケーブルメンバーを定義するのに使用します。初期張力、または無応力長オプションを選択してメンバー引張を設定します。引張のみのばねは、引張力のみを伝達可能です。そのため、引張のみのばねは圧縮を生じる荷重ケースに対しては自動的に無効化されます。圧縮のみのばねは、圧縮力のみを伝達可能です。そのため、圧縮のみのばねは引張を生じる荷重ケースに対しては自動的に無効化されます。

注記: 詳細については、「TR.23.2 ケーブルメンバーの設定」を参照してください。
設定説明
初期張力

このオプションを使用して、ケーブルの初期引張を力として設定します。

設定説明
平均

ケーブルの平均張力が使われます(アドバンスドケーブル解析用)。

始点ノード

張力はメンバーの始点ノードから計算されます(アドバンスドケーブル解析用)。

終点ノード

張力はメンバーの終点ノードから計算されます(アドバンスドケーブル解析用)。

無応力長

このオプションを使用して、ケーブルの初期引張を非線形ケーブル解析の長さとして設定します。

全体系 X Fwx

全体座標系のX方向で自重に乗じる係数

全体系 Y Fwy

全体座標系のY方向で自重に乗じる係数

ヒント: 鉛直方向がY軸の場合、自重として作用するには負の値を使用します。
全体系 Z Fwz

全体座標系のZ方向で自重に乗じる係数

ヒント: 鉛直方向がZ軸の場合、自重として作用するには負の値を使用します。

「トラス」タブ

トラスメンバーの設定に使用します。これらのメンバーは、軸力のみを伝達することができます。

このメンバー仕様には付加パラメータがありません。

注記: 非線形ケーブル解析用にトラスメンバーの引張を指定するには、STAAD入力ファイルを直接編集する必要があります。詳細については、「TR.23.1 トラスメンバーの設定」を参照してください。

「圧縮材」タブ

圧縮材を定義するのに使用します。これらのメンバーは、圧縮力のみを伝達することができます。

このメンバー仕様には付加パラメータがありません。

「オフセット」タブ

フレームメンバー端部をジョイントから剛体的にオフセットし、フレームメンバー端部のオフセット条件をモデル化するのに使用します。

周知のとおり、実際の構造のはりと柱は、コンピュータモデルでは線で表現されます。実際の構造では、はりは柱の面間の内法スパン距離を結びます。しかし、コンピュータモデルでは、ビーム線は柱の中心線間を結びます。曲げの観点からは、柱せいの半分の部分は、はり自体よりも非常に剛性が大きくなります。この余分な剛性の利点を利用するために、はりの始端面と終端面はノードから柱のせいの半分に等しい距離だけオフセットしていると宣言することができます。

メンバーオフセットは、別の状況でも設定することができます。たとえば、以下について考えます。

  • ブレースメンバーが、その生成リストで定義されているノードと交わらない場合
  • 橋のガーダーとトップスラブで、ガーダーの中央線がスラブの中央線の数インチ下にある場合

距離を明確にしてメンバーの構造パラメータ設計をする場合、この機能は便利です。

メンバーオフセットの詳細については、「TR.25.1 メンバーオフセットの設定」を参照してください。

設定説明
位置

オフセットを指定するジョイントとして、「始点」または「終点」を設定します。

方向

オフセット距離の割り当て用に「部材系」または「全体座標系」を選択します。

オフセット

ジョイントからのオフセット距離を3つの軸方向において入力します。

「不活性」タブ

特定の解析サイクルに対して一時的にメンバーを無効にするのに使用します。不活性メンバーは、後で、後続の処理に対して再び有効にすることができます。

この機能の使用方法については、「 EX. US-4 Inactive Members in a Braced Frame 」または「 EX. UK-4 Inactive Members in a Braced Frame 」を参照してください。また、このオプションについては、「TR.18 無効化/削除の設定」でも説明しています。

このメンバー仕様には付加パラメータがありません。

「耐火」タブ

構造用鋼材に適用される耐火材の重量を自動的に考慮するのに使用します。

耐火の詳細については、「TR.20.9 耐火加工のメンバーへの適用」を参照してください。

設定説明
耐火タイプ

現在2つのタイプの耐火形式がサポートされています。

  • BFP(ブロック耐火)

    耐火材は、鋼断面の周りに矩形ブロックを形成します。指定した厚みは、外側ブロックの寸法を定義する最小厚さになります。

    BFP:ブロック耐火

  • CFP(コンター耐火)

    耐火材は、鋼断面の周りにコーティングを形成します。指定した厚みは、断面プロファイルの周りの一定厚さになります。

    CFP:コンター耐火

厚さ 長さ単位で与えられる厚さ(上図の寸法)
密度 (力/長さ3)単位で与えられる耐火材の密度

「不整」タブ

選択されたメンバーに対してキャンバーとドリフトを定義するのに使用します。

注記: 詳細については、「TR.26.6 メンバー不整の設定」を参照してください。
設定説明
不整タイプ

不整として、「キャンバー」または 「ドリフト」のどちらかを選択します。ドリフトは、通常柱に対してであり、キャンバーははりに対してです。

部材方向

キャンバーまたはドリフトが、部材座標系のYまたはZ方向のどちらに作用するかを設定します。

メンバー長さ/オフセットの比で定義されるキャンバーまたはドリフトの値を設定します。デフォルト値は、300です。

(キャンバーオプションのみ)無次元定数であり、圧縮荷重が小さい、またはEIが大きい、または長さが短い場合にキャンバー不整計算を省略するために使用します。これらの項目の組み合わせが計算され、εと呼ばれます。εが所定のRespect値より小さい場合、その場所、方向、そのケース、そのメンバーに対する不整計算は省略されます。不整計算は、引張を受けるメンバーに対しても省略されます。

ε y = 長さ × |  軸荷重  | E I z
ε z = 長さ × |  軸荷重  | E I y