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TR.32.10.1.14 SNiP II-7-81に従った応答スペクトル仕様

このコマンドは、SNiP II-7-81に従ってRESPONSE SPECTRUM荷重を指定、適用して、動的解析を実行するために使用できます。

一般的な書式

SPECTRUM comb-method SNIP A f1 *{ {X f2 | KWX f3 KX1 f4} | { Y f5 | KWY f6 KY1 f7 } | { Z f8 | KWZ f9 KZ1 f10 } ACCELERATION (SCALE f11)
{DAMP f12 | CDAMP | MDAMP } ( { LINEAR | LOGARITHMIC } ) (MISSING f13) (ZPA f14) ({ DOMINANT f15 | SIGN }) SOIL { 1 | 2 | 3} (SAVE)

上記のSPECTRUMからSCALEまでのデータは、コマンドの先頭行にある必要があります。残りのデータは、先頭以降の行で指定し、最終行以外の末尾にはハイフンを付けることができます(スペクトルあたり最大4行)。

指定項目:

表 1. SNiP II-7-81応答スペクトルに使用されるパラメータ
パラメータ 既定値 説明
A f1   地震帯の最大加速度係数に基づく地域係数A。この係数は、2以外のSOILタイプでは変更する必要があります。特定の場所に使用する正確な地域係数値は、技術的な判断が必要です。次の表は、使用される加速度と対応する地域係数のガイドです。
X f2

Y f5

Z f8

0.0 X、Y、およびZ方向に適用される入力スペクトル用の係数。任意の方向、すべての方向が入力可能です。指定されなかった方向は、デフォルトでゼロになります。あるいは、KWXKX1などの個々のパラメータを入力することもできます。その積は、その方向に沿った係数として使用されます。
SCALE f11   スペクトルデータに掛ける線形スケール係数。通常は、gを長さ/秒2単位に因数分解するために使用します。この入力は、現在の単位系の重力による適切な加速度の値です(したがって、9.81 m/s2または32.2 ft/s2)。
DAMP f12 0.05
減衰比。減衰を無視するには、正確に0.0000011の値を指定してください。
  • CDAMPを指定した場合、材料減衰(およびバネ減衰(指定した場合))の値によって決定される合成減衰が使用されます。「 TR.26.2 メンバーとエレメントに対する定数の設定」を参照してください。
  • MDAMPを指定した場合、DEFINE DAMPING INFORMATIONコマンドで定義された方法を使用してモーダル減衰が計算されます。これは、入力ファイルに含める必要があります。「TR.26.4 モーダル減衰の情報」を参照してください。
MISSING f13   "喪失質量"法を使用して、モードで表されない質量の静的効果を組み込むためのオプションのパラメータ。この喪失質量モードのスペクトル加速長/秒2は、長さ/秒の2乗単位で入力されたf13値です(この値にはSCALEは乗算されません)。f13がゼロの場合は、ZPA f14振動数でのスペクトル加速度が使用されます。f14がゼロであるか、入力されなかった場合は、33Hzにおけるスペクトル加速度が使用されます。この計算結果は、モーダル組み合わせ結果のSRSSです。

SRSSおよびCQCの場合、この計算結果は、モーダル組み合わせ結果のSRSSです。f13またはf14が入力されていない場合は、デフォルトが使用されます。喪失質量には、サポートが堅いばねであるか、強制サポートである場合を除き、サポートに集中している質量の影響は含まれません。

注記: 任意のスペクトルケースで入力されたMISSINGパラメータは、すべてのスペクトルケースで使用されます。
ZPA f14   MISSINGオプションでのみ使用するゼロ周期加速度値。入力されない場合、デフォルトの33Hzとなります。値は出力されますが、MISSING f13が入力された場合は使用されません。
DOMINANT f15   基本モード法。すべての結果の符号がモード番号f15のみが持つ符号と同じになります。モード番号f15が励起されると、スケール倍された結果が静的変位の結果として使用されます。値が入力されない場合は、モード1がデフォルトです。値0が入力されると、励起方向に最も大きな%寄与を持つモードが使用されます(1つだけの方向係数が非ゼロとなり得ます)。
注記: このオプションとともにSIGNパラメータを使用しないでください。

comb-method = { SRSS | CQC }は、各モードからの応答を組み合わせて全応答にする方法です。

CQC法では減衰が必要です。SRSS法は、スペクトル周期曲線が減衰の関数にならない限り、減衰を使用しません(後述のファイルオプションを参照)。CQCは、近接するモード振動数による応答の拡大効果を含んでいます。CQCは、より洗練された実際的な方法であり、推奨されるものです。

SRSS
SNiP II-7-81コードで規定されている二乗法の総和の平方根。
CQC
完全2次合成法(デフォルト)。この方法は、モードが近接する場合にSRSSの代わりとして推奨されます。
結果は次のように計算されます。
F=nmfnρnmfm
意味
ρnm
=
8ζ2(1+r)r2/3(1r2)2+4ζ2r(1+r)2
r
=
ωnm ≤ 1.0
注記: クロスモーダル係数配列は対称であり、すべての項が正です。

指定子SNIPは、作用荷重がSNiP II-7-81のガイドラインに従っていることを示すために必須です。

ACCELERATOIN
加速度スペクトルが入力されることを示します。
注記: SNiP II-7-81 / SP 14.13330.2011には、変位応答スペクトルの規定がありません。
DAMPMDAMP、およびCDAMP
減衰入力のソースを選択します。
  • DAMPは、f2の値をすべてのモードに使用することを示します。
  • MDAMPは、DEFINE DAMPコマンドが入力された場合、そのコマンドで入力され計算された値を使用し、それ以外はデフォルト値0.05を使用することを示します。
  • CDAMPは、各モードに対して計算された構造物の合成減衰を使用することを示します。異なる材料に対しては、CONSTANT設定の下で減衰を設定する必要があります。
LINEARまたはLOGARITHMIC
入力スペクトル対周期曲線の線形または対数補間を選択して、その周期が与えられたモードのスペクトル値を決定します。デフォルトは線形です。スペクトル-周期曲線は、通常、Log-Logスケールのみにおいて線形であり、そのようなケースでは、対数内挿が推奨されます。特に、スペクトル曲線に2、3点のみが入力されている場合に推奨されます。

FILE filenameを入力すると、減衰軸に沿った補間が線形になります。

注記: すべてのスペクトルケースの最後に入力された最後の補間パラメータが、すべてのスペクトルケースに使用されます。
SIGN
このオプションを指定すると、すべての結果に対して符号付きの値が作成されます。モードの正値の二乗和が、モードの負値の二乗和と比較されます。負値の方が大きい場合、結果に負の符号が与えられます。このコマンドは、ABSオプションでは無視されます。
注意: このオプションとともにDOMINANTパラメータを入力しないでください。
SOIL
応答スペクトルが生成される下層土の条件を定義します。
注記: タイプ2以外の土壌タイプでは、地域係数A(f1を調整する必要があります。
  1. 未風化岩(Non-weathered rock)、および岩石状地層(rocklike geological formation)または永久凍土である下層土。
  2. 風化岩または中密度砂の深い堆積、礫または中硬粘土。
  3. 緩非粘土性土壌堆積、または軟硬度から中硬度の粘性土。
SAVE
このオプションにより、gとラジアン/秒2のジョイント加速度を含む加速度データファイル(モデルファイル名に拡張子.accが付いたファイル)が作成されます。これらのファイルはテキスト形式であり、任意のテキストエディタ(メモ帳など)で開いて表示できます。

説明

振動数とモード形の計算結果は、質量モデルによって大きく変化します。移動可能な質量はすべて、すべての移動可能方向に適用される荷重としてモデル化する必要があります。動的質量のモデル化については、「TR.32 荷重の設定」と「G.17.3 Dynamic Analysis」を参照してください。質量モデリングについては、説明コメントとともに、次のサンプルファイルで図解しています。 C:\Users\Public\Public Documents\STAAD.Pro CONNECT Edition\Samples\Rus\Seismic_Russ.STD

例1

風化岩上に構築された構造物のX方向のSNiP応答スペクトルの定義。地域係数は0.7071です。これは応答スペクトルを持つ最初の荷重ケースであるため、質量は荷重としてモデル化されます。

LOAD 2 LOADTYPE Seismic TITLE SPECTRUM IN X-DIRECTION
*Masses
SELFWEIGHT X 1.0
SELFWEIGHT Y 1.0
SELFWEIGHT Z 1.0
JOINT LOAD
10 FX 17.5
10 FY 17.5
10 FZ 17.5
MEMBER LOADS
5 CON GX 5.0 6.0
5 CON GY 5.0 6.0
5 CON GX 7.5 10.0
5 CON GY 7.5 10.0
5 CON GX 5.0 14.0
5 CON GY 5.0 14.0
*SNiP Spectrum definition
SPECTRUM SRSS SNIP A 0.7071 X 1.0 ACC DAMP 0.05 SCALE 1.0 LIN MIS 0 ZPA 40 SOIL 2
…
注記: 1回の実行で許可される最大応答スペクトル荷重ケース数は50です。

応答スペクトルの詳細については、「TR.32.10.1 応答スペクトル解析」の節を参照してください。

例2

STAAD PLANE RESPONSE SPECTRUM ANALYSIS
START JOB INFORMATION
JOB NAME Plane Russian example
ENGINEER DATE 12-Feb-08
END JOB INFORMATION
UNIT METER KN
JOINT COORDINATES
1 0 0 0; 2 7.2 0 0; 3 0 4.5 0; 4 7.2 4.5 0; 5 0 9.0 0; 6 7.2 9.0 0;
MEMBER INCIDENCES
1 1 3; 2 2 4; 3 3 5; 4 4 6; 5 3 4; 6 5 6;
MEMBER PROPERTY RUSSIAN
1 TO 4 PRIS AY 10000 YD 0.6 ZD 0.6
5 TO 6 PRIS YD 0.9 ZD 0.3
SUPPORTS
1 TO 2 FIXED BUT MZ
3 TO 6 FIXED BUT FX
CONSTANTS
E 30.0e+006 ALL
POISSON 0.2 ALL
CUT OFF MODE SHAPE 2
*NEXT LOAD WILL BE RESPONSE SPECTRUM LOAD
*WITH MASSES PROVIDED IN TERMS OF LOAD.
LOAD 1 SEISMIC LOADING
JOINT LOAD
3 4 FX 310.586
3 4 FY 310.586
5 6 FX 310.586
5 6 FY 310.586
SPECTRUM CQC SNIP A 1.0 X 1.0 ACC MIS SOIL 2
PERFORM ANALYSIS
PRINT MODE SHAPES
PRINT STORY DRIFT
PRINT ANALYSIS RESULTS
FINISH