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TR.37.3 非線形ケーブル解析

一般的な書式

基本ケーブル解析:

PERFORM CABLE ANALYSIS BASIC (STEPS f1) (EQITERATIONS f2) (EQTOLERANCE f3) (SAGMINIMUM f4) (STABILITY f5 f6) (KSMALL f7) (PRINT print-options)
注記: 基本ケーブル解析を使用するときは、コマンドにBASICオプションを含める必要があります。

アドバンスドケーブル解析:

PERFORM CABLE ANALYSIS ( ADVANCED ) (STEPS f8) (EQITERATIONS f9) (EQTOLERANCE f10) (REFORM f11) (KGEOM f12) (PRINT print-options)
注記: アドバンスドケーブル解析の機能を使用するときは、STAAD.Pro Advancedライセンスが必要です。このライセンスを保有している場合は、ADVANCEDがデフォルトとなります。

指定項目:

print-options = { LOAD DATA | STATICS CHECK | STATICS LOAD | BOTH | ALL }

詳細については、「TR.37.1 線形弾性解析」を参照してください。

出力にケーブルサグを含める方法の詳細については、「TR.42 出力の設定」を参照してください。

このコマンドは、ハイフンで終わることにより、次の行に続けることが可能です。

表 1. 基本ケーブル解析のパラメータ
パラメータ 既定値 説明
STEPS f1 145 基本ケーブル解析の荷重ステップ数。作用荷重は、この多数回ステップにおいて徐々に作用します。各ステップが収束するまで反復されます。値を入力する場合、5~145の範囲内にする必要があります。
EQITERATIONS f2 300 各荷重ステップにおいて許容される最大反復回数。10~500の範囲内にする必要があります。
EQTOLERANCE f3 0.0001 上記の反復に対する収束判定子。
SAGMINIMUM f4 0.0

ケーブル(トラスではない)は、引張が小さい場合はたわむかもしれません。このことは、Eの値を低減することによって考慮されます。サグ最小は、1.0(サグによるEの低減なし)と0.0(サグによる最大限のEの低減)の間にあります。

SAGMINが0.95未満になると同時に、ステップを145に増やすかプレテンション荷重なしで収束解は得られない可能性があります。Eq iterationsは、300以上である必要があります。Eq toleranceは、大きくするか小さくする必要があるかもしれません。

STABILITY f5 1.0 剛性マトリックスの値(f5)であり、初めのf6荷重ステップで、ケーブルと非線形トラスに接続するジョイントの各並進方向において全体マトリックスに足し込まれます。線形に足し込まれる量は、各f6荷重ステップで線形に減少します。f5が入力される場合、0.0~1000.0を使用してください。このパラメータは、構造物の剛性を変更します。
f6 1 f5が徐々に作用する荷重ステップの数。デフォルトは1ステップです。
KSMALL f7 0.0 すべての荷重ステップに関して、ケーブルと非線形トラスに接続するジョイントの各並進方向において全体マトリックスに足し込まれる剛性マトリックスの値を設定します。f7の範囲は、0.0~1.0の間です。このパラメータは、構造物の剛性を変更します。
表 2. アドバンスドケーブル解析のパラメータ
パラメータ 既定値 説明
STEPS f8 1 荷重を小さな増分に分割するために使用します。有効な値は、任意の正の整数です。一般に、1より大きい値にすると、荷重が徐々に作用するため解の収束に役立ちます。ただし、固定のプレストレスを持つケーブル要素の場合は、通常は1回のステップの方が迅速に収束します。
EQITERATIONS f9 300 各荷重ステップにおいて許容される最大反復回数。荷重の増分ごとに、収束する解を見つけるために解析が反復されます。最大反復回数に達すると、収束解が得られていなくても解析が停止します。有効な値は、任意の正の整数です。値が小さ過ぎると、解が収束しないことがあります。一方、値が大き過ぎると、問題が収束しない場合に余分な実行時間がかかる可能性があります。
EQTOLERANCE f10 1.0E-6 EQITERATIONSで設定された反復に対する収束判定子。この収束には、残存力ノルムが使用されます。この値は、非線形ソルバで計算された誤差がこの値以下になった時点で反復を停止し、進行中のステップを収束したと見なすしきい値を示します。値が小さ過ぎると、解が収束したと見なされないことがあります。一方、値が大き過ぎると、結果が不正確になる可能性があります。

出力ファイルに出力される許容差は、すべての外作用力のノルムで除算した現在の不平衡力のノルムです。現在の反復が収束するには、この計算された許容差がf10より小さくなる必要があります。

REFORM f11 1 完全なニュートンラプソン法と修正ニュートンラプソン法のどちらを使用するかを設定するために使用します。理論的には、完全なニュートンラプソン法の方が、修正ニュートンラプソン法に比べて少ない反復で収束に達しますが、計算量が多くなる可能性があります。
KGEOM f12 0 幾何剛性を使用するかどうかを設定するために使用します。

注記

  1. STAADは、同一実行における複数の解析を許容します(詳細については、「TR.37.1 線形弾性解析の概評を参照)。

  2. 複数解析は、SET NLコマンドやCHANGEコマンドのような付加コマンドの使用を必要とします。

  3. 解析とCHANGEは、PERFORM CABLE ANALYSIS BASICまたはPERFORM CABLE ANALYSIS ADVANCED用の主ケースの間にあることが要求されます。

  4. ケーブル要素に不均一分布荷重または集中荷重(MEMBER LOADコマンドを使用)を与えることはできません。
注記: コントロール/依存システムを含めるために使用されるメカニズムにより、コントロールノードの反力が静的チェックに含まれていない場合、不平衡力レポートが発生する可能性があります。これは、短い剛性メンバーをコントロールノードからサポートに追加することで回避できます。