STAAD.Pro Help

TR.28.2 床ダイアフラム

このコマンドは、剛床ダイアフラムを作成するために使用されます。それぞれでコントロールジョイントを設定する必要はありません。このコマンドの設定に応じて、エンジンで次の処理が実行されます。

  1. 構造の質量モデルを考慮して各固定ダイアフラムの質量の中心(コントロールジョイントの配置位置)が計算されます。質量参照荷重を使用して質量がモデル化されている必要があります。「TR.31.6 参照荷重タイプの定義」を参照してください。
  2. 解析に含める分析ノードが質量の中心の位置に内部的に作成されます(コントロールノードが設定されていない場合)。この時点で既存の分析ノードが存在する場合は、新しいジョイントを作成する代わりに既存のジョイントが使用されます。
    ヒント: 各ダイアフラムの質量の中心は、前処理の出力に含まれます。後処理の出力に剛性の中心を含めるには、PRINT DIAPHRAGM CRコマンドを含める必要があります。「TR.42 出力の設定」を参照してください。
  3. ダイアフラム内の使用可能なすべてのノードが検索され、ダイアフラムの質量の中心に配置されたコントロールノード(または設定したコントロールノード)に対する依存ノードとして追加されます。

一般的な書式

FLOOR DIAPHRAGM
DIAPHRAGM i1 TYPE RIGID diaphragm-spec
( BASE b1 )

すべてのダイアフラムを定義した後、次のオプションのコマンドを追加することができます。

( CHECK SOFSTORY soft-story-code )
( CHECK IRREGULARITIES CODE irregularities-code )

指定項目:

diaphragm-spec = HEIGHT f1 ( CONTROL i2 ) (JOINT joint-list ) 

または

diaphragm-spec = YRANGE f2 f3 ( CONTROL i2 ) ( JOINT XRANGE f4 f5 ZRANGE f6 f7 )

または

diaphragm-spec = ( CONTROL i2 ) JOINT joint-list
Parameter説明
DIAPHRAGM i1 ダイアフラムの識別番号
BASE b1 構造の底面レベル/地表階レベル(モデルで定義されているY座標の最小値と異なる場合)
HEIGHT f1 床レベルを設定する全体座標のY方向の値
YRANGE f2 f3 Yの領域を設定する全体座標値。f2が下限でf3が上限です。その床の高さにダイアフラムが配置されると見なされます。
XRANGE f4 f5 Xの領域を設定する全体座標値。このXの領域内にダイアフラムが配置されると見なされます。床全体を1つのダイアフラムと見なす場合は、Xの領域を定義する必要はありません。
ZRANGE f6 f7 Zの領域を設定する全体座標値。このZの領域内にダイアフラムが配置されると見なされます。床全体を1つのダイアフラムと見なす場合は、Zの領域を定義する必要はありません。
CONTROL i2 設定した床レベルにあるユーザー指定のコントロールジョイント番号。定義しない場合、このジョイントはダイアフラムの質量の中心として自動的に計算されます。

高さまたはYの領域を設定する代わりに、コントロールジョイント(ユーザーが指定またはプログラムで計算)に接続する特定の床レベルのジョイントの数を示すジョイントリストを設定することもできます。

注記: 単一のダイアフラムは、STAAD.Proの指定されたレベルで定義できます。

柔層と不規則性のチェック

soft-story-codeの詳細については「TR.28.2.1 柔層のチェック」、irregularities-codeの詳細については「TR.28.2.2 不規則性のチェック」を参照してください。

注記

  1. 行ごとに1つの完全なダイアフラム定義を指定する必要があります。ただし、ジョイントリストがある場合は、継続記号("-")を使用して次の行までリストを拡張することができます。

    DIA f1 TYP RIG YR f2 f3 JOI XR f4 f5 ZR f6 f7
    DIA f11 TYP RIG YR f21 f31 JOI XR f41 f51 ZR f61 f71
    DIA f12 TYP RIG JOI 35 45 51 TO 57 59 TO 83 -
    90 TO 110
    

    この場合、f1f11、およびf12の3つの固定ダイアフラムが、f2f3の範囲の床の高さ、f21f31の範囲の床の高さ、および全体Y座標で示される平面にあるジョイントにそれぞれ配置されます。

  2. ダイアフラムは昇順で設定する必要があります(つまり、最初の床レベルのダイアフラムを設定してから次の床レベルのダイアフラムのように、順番に設定する必要があります)。
  3. いずれかのダイアフラムでユーザー定義のコントロールジョイントを設定した場合は、すべてのダイアフラムに対してユーザー定義のコントロールジョイントを設定する必要があります。1つのダイアフラムにユーザー定義のコントロールジョイントを使用し、別のダイアフラムにプログラムで計算されたコントロールジョイントを使用することはサポートされていません。
  4. 床ダイアフラムを設定する前に、質量モデル(参照荷重を使用)を設定する必要があります。
  5. 床ダイアフラムは入力ファイルで1回しか設定できません。
  6. 床ダイアフラムと一緒にFLOOR HEIGHTコマンドを設定することはできません(「TR.31.2.9.1 床レベルの同定」を参照)。
  7. 床ダイアフラムと一緒にCONTROL-DEPENDENTコマンドを設定することはできません(「TR.28.1 コントロール/依存の設定」を参照)。
  8. 床ダイアフラムをSET Z UPコマンドで設定することはできません。
  9. 傾斜があるダイアフラムはサポートされていません。
  10. 底面レベル(地表階レベルまたは支持レベル)は、定義されたY座標の最小値になります。別の底面レベルを設定するには、コマンドでBASE b1オプションを使用します。このオプションを使用する場合、床ダイアフラム系の最後の行にする必要があります。
  11. プログラムで許容される最大ダイアフラム数(デフォルト値)は150です。150を超えるダイアフラムを設定する必要がある場合は、ジョイントの生成を設定する前にSET RIGID DIAPHRAGM n(n = 構造内のダイアフラムの総数)を設定しておく必要があります。

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UNIT FEET KIP
DEFINE REF LOAD
LOAD R1 LOADTYPE MASS
* MASS MODEL
SELFWEIGHT X 1
SELFWEIGHT Y 1
SELFWEIGHT Z 1
JOINT LOAD
17 TO 48 FX 2.5 FY 2.5 FZ 2.5
49 TO 64 FX 1.25 FY 1.25 FZ 1.25
*
LOAD R2
SELFWEIGHT Y -1
JOINT LOAD
17 TO 48 FY -2.5
49 TO 64 FY -1.25
END DEF REF LOAD
****************************************************************
FLOOR DIAPHRAGM
DIAPHRAGM 1 TYPE RIGID YR 4.1 4.3 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 2 TYPE RIGID YR 8.3 8.5 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 3 TYPE RIGID YR 12.5 12.7 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 4 TYPE RIGID YR 16.7 16.9 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 5 TYPE RIGID YR 20.9 21.1 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 6 TYPE RIGID YR 25.1 25.3 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 7 TYPE RIGID YR 29.3 29.5 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 8 TYPE RIGID YR 33.5 33.7 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
DIAPHRAGM 9 TYPE RIGID YR 37.7 37.9 JOI XR -0.1 21.3 ZR -0.1 31.9
BASE 0.5
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