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DGNライブラリの構築

DGNライブラリは、次のものを保存するためのDGNファイルです。

DGNライブラリ(DGNLibと呼ばれることもあります)には、全ファイルおよびユーザー間で共有されているデータが含まれています。これらの共有リソースは、ユーザーが定義して名前を付け、ワークグループのメンバーが標準として使用する要素で構成されます。

DGNライブラリ内の共有リソースは、DGNファイル内に作成するときと同様に、アプリケーションツールを使用して作成します。

DGNライブラリで定義されたセルや画層ごとに、識別するための一意の名前が付けられます。DGNライブラリから、セル、画層、線種、複線のスタイル、文字スタイル、寸法スタイル、またはテンプレートを使用すると、それぞれが開いているDGNファイルに同じ名前でコピーされます。DGNライブラリで定義されたスタイルや設定などには、それぞれ識別するための一意の名前が付けられます。DGNライブラリからスタイルまたはテンプレートを使用すると、それぞれが開いているDGNファイルに同じ名前でコピーされます。これによって、同じ名前のローカルリソースとDGNライブラリリソースを比較したり、DGNライブラリの内容が変更されているかを確認したり、ローカルリソースとDGNライブラリリソースの同期がとれているかを確認したり、ローカルリソースに選択的に更新を適用したりすることができます。

データと標準の共有を促進することに加えて、DGNライブラリには次のようなメリットがあります。

  • DGNライブラリは骨組みを提供しますが、必要に応じて、例外も許可されます。DGNライブラリからのリソースを使用して作業を開始しますが、それらのリソースは変更できないような"ロック"がかかっていません。顧客の要求に応じて、ローカルリソースを変更することができます。
  • DGNライブラリを使用すれば、管理者は1か所に共有リソースを作成して、複数のユーザーに分配することができます。リソースを中央の場所に置くことによって、リソースのメンテナンスと管理が容易になります。
  • DGNライブラリを編集するときに、クイックアクセスツールバーの「元に戻す」コントロールと「やり直し」コントロールを使用することができます。

小規模組織では、すべてのリソースを1つのDGNライブラリに保存することによって、管理を容易にすることができます。複数の作業環境用のリソースと複数のWorkSet用のリソースがある大規模企業では、作業環境およびWorkSetに応じて、複数のDGNライブラリにリソースを配置することができます。

多数のリソースが個別のDGNライブラリに保存されています。これにより、不必要なDGNライブラリを削除することができます。次のDGNライブラリは、MicroStation PowerDraftのプログラムディレクトリの ..\Default\dgnlib\ フォルダにインストールされます。

  • ..\DrawComp\en\DrawingSeed.dgnlib - 図面の作成に必要な既定の図面シード、表示スタイル、および詳細記号スタイルが含まれます。
  • ..\DrawComp\en\PageLayout.dgnlib - マークアップテンプレートとマークアップ名前付き演算式を作成するために必要なリソースが含まれます。
  • ..\Links\LinkSetSeed.dgnlib - 既定のリンクセットが含まれます。
  • ..\Printing\PrintStyles.dgnlib - 既定の印刷スタイルが含まれます。
  • ..\System\en\SystemCells.dgnlib - 光源セル、KML Placemarkセル、およびGPS追跡セルが含まれます。

複数のDGNライブラリは、階層を使用して整理することができます。作業環境レベルで必要なリソースを含むDGNライブラリは、作業環境レベルに格納できます。同様に、WorkSetで必要なリソースを含むDGNライブラリは、WorkSetレベルに格納できます。

DGNライブラリは、拡張子が異なることを除いて、ファイルフォーマットはDGNファイルと同じです。推奨されているファイル拡張子は、*.dgnlibです。最初から新しいファイルを作成する方法と既存のファイルをコピーして新しい名前で保存する方法のどちらかによるDGNライブラリの作成手順は、DGNファイルの作成手順と同じです。

DGNライブラリがユーザー間で共有できる状態になったら、中央の場所に移動して、全員が最低でも読み取り専用アクセスできるようにする必要があります。

MS_DGNLIBLIST構成変数は、使用可能なDGNライブラリのリストを指定します。たとえば、s:\standards\*.dgnlibとなります。DGNライブラリを作成したら、それを使用するために、ライブラリを指すようにMS_DGNLIBLIST構成変数を設定する必要があります。この設定を実行すれば、ユーザーがDGNファイルを開いたときに、DGNライブラリに保存された共有リソースを使用できるようになります。たとえば、「要素テンプレート」ダイアログボックスを開いたときに、構成されたDGNライブラリ内のすべての要素テンプレートが、要素テンプレートのリストに表示されます。特定のスタイルに対してDGNライブラリを指定するいくつかの追加の構成変数があります。たとえば、MS_DGNLIBLIST_TEXTSTYLESは、文字スタイルを検索するために使用されるDGNライブラリファイルのリストを指定します。

DGNライブラリの内容が変更された場合、その変更前に開いているDGNファイルに保存された要素は、自動的に更新されません。ローカルリソースと共有リソースの同期をとることができます。各"スタイル"のダイアログで「ライブラリから更新」アイコンまたはメニュー項目を使用するか、次のキー入力コマンドを使用することによって、この同期を実現します。

ライブラリのタイプ

更新キー入力コマンド

画層

DGNLIB UPDATE LEVELS

複線のスタイル

DGNLIB UPDATE MLINESTYLES

文字スタイル

DGNLIB UPDATE TEXTSTYLES

寸法スタイル

DGNLIB UPDATE DIMSTYLES

詳細記号のスタイル

DGNLIB UPDATE DETAILINGSYMBOLSTYLES

要素テンプレート

DGNLIB UPDATE TEMPLATES

この表内のすべてのタイプのライブラリ

DGNLIB UPDATE ALL

デジタル権デジタル署名をDGNライブラリに適用して、その内容を保護したり、承認された共有リソースに署名することができます。デザイン履歴は、標準的な共有リソースの改訂を追跡するために使用することができます。