TR.31.2 地震解析用静的力手順の定義
STAAD.Proは、数カ国のコードや、広く認められている出版物において利用可能な規則を使用して、地震荷重により構造物に作用する横方向荷重を規定する機能を提供します。それらのコードと出版物では、いわゆる等価静的力法を、応答スペクトルや時刻歴解析のようなより複雑な方法の代わりに使用することが容認されています。
一度横方向荷重が生成されると、プログラムでは、コードのドキュメントに説明される適用規則を使用して、それらの荷重に対して構造物の解析が可能となります。
国 | コード | 題名 |
---|---|---|
アルジェリア | RPA 99 | Règles Parasismiques Algériennes |
カナダ | NRC 1995 | National Building Code of Canada(NRC/CNRC) |
NRC 2005 | National Building Code of Canada(NRC/CNRC) | |
2010年版NRC | National Building Code of Canada(NRC/CNRC) | |
中国 | GB50011-2001 | Code for Seismic Design of Buildings GB50011-2001 |
GB 50011-2010 | Code for Seismic Design of Buildings GB50011-2010(2016年版) | |
コロンビア | コロンビア | Reglamento Colombiano de Construcción Sismo Resistente(NSR-98)、Normas Colombianas de Diseño y Construcción(1998)、Asociación Colombiana de Ingeniería Sísmica |
2010年版コロンビア | NSR-10 Reglamento Colombiano Sismo Resistente | |
インド | IS:1893 1984 | Criteria for Earthquake Resistant Design of Structures |
2002年版IS:1893(パート1) | Criteria for Earthquake Resistant Design of Structures - Part 1:General Provisions and Buildings | |
2005年版IS:1893(パート4) | Criteria for Earthquake Resistant Design of Structures - Part 4:Industrial Structures Including Stack-Like Structures | |
2016年版IS:1893(パート1) | Criteria for Earthquake Resistant Design of Structures - Part 1:General Provisions and Buildings | |
2015年版IS:1893(パート4) | Criteria for Earthquake Resistant Design of Structures Part 4 Industrial Structures Including Stack-Like Structures | |
日本 | AIJ 2006 | 建築基準法施行令(2006年) |
メキシコ | CFE | Manual de Diseño por Sismo - Comisión Federal de Electricidad(Seismic Design Handbook - Electric Power Federal Commission) |
NTC | Reglamento de Construcciones del Distrito Federal de México(メキシコ連邦区) | |
トルコ | トルコ | "災害地域に建設される構造物用の規定; パート - III - 地震災害の防止" 1998/7/2改訂、広報No. 23390 |
アメリカ | 1985年版UBC | Uniform Building Code 1985年版 |
1994年版UBC | Uniform Building Code 1994年版 | |
1997年版UBC | Uniform Building Code 1997年版 | |
2000年版および2003年版IBC | International Building Code 2000年版および2003年版 | |
2006年版および2009年版IBC | International Building Code 2006年版および2009年版 | |
2012年版IBC | International Building Code 2012年版 | |
2015年版IBC | International Building Code 2015年版 | |
2018年版IBC | International Building Code 2018年版 |
質量モデル
静的地震荷重の定義に使用される質量データは、荷重定義内の重量データとして、または参照荷重を使用した質量モデルによって指定することができます。次の優先順位は、プログラムで使用される質量を決定するためにプログラムによって使用されます。
- 地震荷重定義で共通の重量データが指定されている場合は、これが使用されます。それ以外は、
- LOADTYPE MASSとして定義されたすべての参照荷重ケースが使用され、それ以外の場合は
- MASS参照荷重ケースが存在しない場合は、LOADTYPE GRAVITYとして定義されたすべての参照荷重ケースが使用され、それ以外の場合は
- MASSまたはGRAVITY参照荷重ケースが存在しない場合、すべての荷重ケースはLOADTYPE DEADおよびLIVEとして定義されます。少なくとも、1つの荷重ケースをDEADとして定義する必要があります
注記: モデルに剛床ダイアフラムが含まれている場合、質量データで定義された1つまたは複数の適切な参照荷重ケースが必要です(剛床ダイアフラムフィーチャーの要件)。この場合、同じデータを使用して、剛床ダイアフラムと静的地震荷重の両方の質量モデルが作成されます。
詳細については、「G.17.3.2 Mass Modeling」を参照してください。
一般的な重量データ
SELFWEIGHT JOINT WEIGHT joint-list WEIGHT w MEMBER WEIGHT mem-list { UNI v1 v2 v3 | CON ELEMENT WEIGHT plate-list PRESS p1 FLOOR WEIGHT floor-weight-spec ONEWAY WEIGHT oneway-weight-spec ENCLOSED ZONE WEIGHT zone-name LZ f1 ( zone-name LZ f2 ) REFERENCE LOAD { X | Y | Z } Ri1 f11
- floor-weight-spec 床重量の設定については、「TR.32.4.3 床荷重の設定」を参照してください。
- oneway-weight-spec 1方向荷重の設定については、「TR.32.4.2 1方向荷重の設定」を参照してください。
Parameter | 説明 |
---|---|
WEIGHT w | リストに関係するジョイントの重量。 |
UNI v1 v2 v3 | 値v1の等分布荷重を指定するときに使用します。等分布荷重は、メンバー始端からの距離v2から始まり、メンバー始端からの距離v3で終わります。v2とv3を省略すると、荷重は、メンバー全長にわたると仮定されます。 |
CON v4 v5 | 値v4の集中荷重をメンバー始端からの距離v5に適用するように指定するときに使用します。v5を省略すると、荷重がメンバーの中央に作用すると仮定されます。 |
PRESS p1 | 選択されたプレートの単位面積当たりの重量。プレート全体にわたって一定であると仮定されます。
プレート要素がモデルの一部である場合は、Element Weightが使用され、プレートに作用する等分布圧が重量計算において考慮されます。 |
Ri1 | 以前に定義された参照荷重ケースの識別番号。「TR.31.6 参照荷重タイプの定義」を参照してください。 |
f11 | 拡大係数(参照荷重に必要)。 |
zone-name LZ f1, f2 | エンクローズドゾーン定義のローカルZ軸(zone-nameで参照される)に対する既定の面荷重単位のエンクローズドゾーンの荷重強度。詳細については、「TR.31.10 エンクローズドゾーンの定義」を参照してください。 |
はりによって囲まれる領域に圧力が作用する場合、床重量が使用されますが、領域を構成するスラブのようなエンティティは、構造モデルの部分として定義されません。FLOOR LOADSを使用するのと同様な状況で使用されます(詳細については、「TR.32.4.3 床荷重の設定」を参照してください)。同様に、Oneway Weightコマンドを使用して、領域に作用する圧力の荷重経路の方向を指定することができます。
壁面積の定義
ST 4(つまり、構造壁がある鉄筋コンクリートの建物)の場合は、2016年版IS1893に従って構造物の固有周期を計算するために、構造物の第1層に関する壁の幅と長さのデータを指定する必要があります。
WALL AREA { X | Z } wall-data-pairs
指定項目
wall-data-pairs = w1, l1; w2, l2; w3, l3, …; wn, ln;
Parameter | 説明 |
---|---|
w1, l1; w2, l2; w3, l3, …; wn, ln | 建物の第1層で壁の有効断面積を計算する目的で、壁の寸法を指定するために使用します。これにより、地震荷重のみの全体方向(XまたはZ)に沿った地震力に耐える壁を指定します。wは壁の幅で、lは壁の長さです。 |