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TR.32.8 サポートジョイント変位の設定

このコマンドは、サポート方向(ピン、固定、強制、またはばね)における変位の設定(または、指定した変位を生じる荷重の生成)のために使用されます。

一般的な書式

SUPPORT DISPLACMENT
support-joint-list { FXFYFZMXMY | MZ } f1

指定項目:

Parameter説明
f1 相当変位の値。並進変位に対しては、この単位は、現使用単位系であり、回転変位の単位は常に度です。

FX、FY、FZは、それぞれX、Y、Z方向の並進変位を設定します。MX、MY、MZは、X、Y、Z方向の回転変位を設定します。

説明

このコマンドの使用については、2つの明確なモードがあります。SupportコマンドにおいてENFORCED設定が使用される場合、"変位モード"が使用されます。それ以外は、"荷重モード"が使用されます。このコマンドの名称にもかかわらず、ばね方向に変位が設定されると、変位は、サポートばねの地面側の端部ではなく、ジョイントにおけるものとなります。変位は、サポートまたはばねのない方向には設定できません。

変位モード

このモードの場合、サポートジョイントの変位は、強制ジョイント変位としてモデル化されます。変位の設定が可能なジョイントの方向は、SUPPORTコマンドで(全ケースに対して同様に)定義される必要があります。「TR.27.1 グローバルサポートの設定」を参照してください。任意のはりメンバー、ばね、または有限要素が解析上考慮されます。他の荷重、傾斜サポート、およびコントロール/依存のすべてが考慮されます。任意数のケースが変位入力を持つことができます。しかし、すべてのケースは、そのケースに対してゼロの変位値が入力される場合、強制変位方向にゼロの変位を持ちます。変位の方向は、傾斜サポートの場合も全体座標方向です。変位は、依存方向には設定されません。

同じジョイント方向において、あるケースではばねサポートを持ち、他のケースでは強制変位を持つ場合、2つのPERFORM ANALYSESが、間にCHANGEコマンドを挟んで使用される必要があります。初めのPERFORM ANALYSESがばね付きサポートを持ち、強制方向を持たず、変位のない荷重ケースを伴います。第2のPERFORM ANALYSESは、ばねのないサポートを持ち、強制方向を持ち、変位のあるケースを伴います。

変位モードの制限:
  • SUPPORT DISPLACEMENTコマンドは、ケースあたり一度だけ入力可能です。
  • ばね方向と強制方向は、同じ解析実行ステップの同じジョイント方向において両方を設定することはできません。
荷重モード

本モードでは、サポートジョイント変位は荷重としてモデル化されます。変位を生じるのに必要なジョイント荷重分布の計算において、はりメンバー(ばね、有限要素ではなく)のみが考慮されます。他の荷重、傾斜サポート、およびコントロール/制御の仕様も考慮されません。これらの考慮されない因子は、入力された場合、入力された変位以外の変位となります(結果は重ね合わされます)。変位を入力したケースのみ影響を受けます。

荷重モードの制限:
  • サポート変位は、4荷重ケースのみにおいて適用可能です。
  • SUPPORT DISPLACEMENTコマンドは、ケースあたり一度だけ入力可能です。
  • 有限要素は入力されるべきではありません。
  • 傾斜サポートは、入力されてはいけません。
  • ばねサポートは、荷重計算において考慮されず、それらの使用は入力された値とは異なる変位となります。

UNIT …
SUPPORT DISPL
5 TO 11 13 FY -0.25
19 21 TO 25 MX 15.0

この例では、第1のサポートリストのジョイントは、負のY方向に0.25単位だけ変位します。第2のサポートリストのジョイントは、全体座標X軸について15度だけ回転します。