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TR.31.2.22 1994年版または1985年版UBCの荷重定義

このコマンドのセットは、地震解析に対して、UBC等価静的横方向荷重生成用のパラメータを定義するために使用されます。この定義により、等価横荷重が水平方向に生成されます。

一般的な書式

DEFINE UBC (ACCIDENTAL) LOAD
{ ubc-1994-spec | ubc-1985-spec }
weight-data

地震荷重の構造の重量を設定する方法については、「一般的な重量データ」を参照してください。

指定項目:

ubc-1994-spec = { ZONE f1 I f2 RWX f3 RWZ f4 S f5 (CT f8) (PX f9) (PZ f10) }
ubc-1985-spec = { ZONE f1 K f6 I f2 (TS f7) }

指定項目:

Parameter説明
ZONE f1 地震地域係数(0.2、0.3など)。1、2、3、または4のような整数を使用する代わりに、0.075、0.15、0.2、0.3、0.4のような小数値を使用してください。
I f2 重要度係数。1985年版と1994年版の両方の仕様で使用されます。
RWX f3 (1994年版UBC仕様のみ)Z方向横方向荷重用数値係数Rw
RWZ f4 (1994年版UBC仕様のみ)Z方向横方向荷重用数値係数Rw
S f5 (1994年版UBC仕様のみ)地盤特性用サイト係数
K f6 (1985年版UBC仕様のみ)水平荷重係数
TS f7 (1985年版UBC仕様のみ)X方向の構造物の周期(秒)
CT f8 (1994年版UBC仕様のみ)方法Aによる構造物の周期の式に現れる項Ct値。詳細については、 注記fを参照してください。
PX f9 (1994年版UBC仕様のみ)X方向の構造物の周期(秒)
PZ f10 (1994年版UBC仕様のみ)Z方向の構造物の周期(秒)

SET Z UPコマンドを使用する場合にYに対して使用されます。

注記: 荷重の生成に使用される地震荷重定義の適用に関する詳細については、TR.32.12.2 地震荷重の生成を参照してください。

注記

  1. ACCIDENTALオプションが使用される場合、予想外のねじりをUBC仕様によって計算します。不測のねじりの値は、各レベルの質量中心に基づきます。質量中心は、指定したSELFWEIGHTJOINT WEIGHTMEMBER WEIGHTELEMENT WEIGHTFLOOR WEIGHT、およびONEWAY WEIGHTコマンドによって計算されます。

  2. 1985年版コードのubc-specでは、TSの設定はオプションです。TSが設定されると、共振係数Sがビルの周期Tにより決定され、ユーザーは、UBC式を使用してTSを与えます。TSが設定されない場合、デフォルト値は、0.5が仮定されます。

  3. PX、またはPZ、または両方が与えられると、UBCコードの方法B用にSTAADによって計算された周期をオーバーライド可能です。ユーザーによって定義された値が、1994年版UBCの式28.5によって推奨される値の代わりに使用されます。PX、またはPZを定義しない場合は、式28.5に従って、方法Bの周期がプログラムによって計算されます。

  4. UBC解析用の出力のいくつかの項目について次に説明します。

    CALC/USED PERIOD

    CALC PERIODは、レイリーの方法(UBCコードによる方法B)を使用して計算された周期です。x方向のUBCに対して、USED PERIODは、PXです。z方向のUBCに対しては、USED PERIODは、PZです。PXとPZが与えられない場合、使用周期は、その方向用に計算された周期と同じになります。使用周期は、Cの値を計算するUBCコードの臨界式に代入されます。

  5. UBC荷重用の解析において、すべてのサポートは、同じ高さにある必要があり、また、構造物の最も低い高さレベルにある必要があります。

  6. Ctの値が設定されない場合は、プログラムはすべてのメンバーとプレートの弾性係数(E)を調べて、構造物が鋼、コンクリート、あるいは別の材料からできているかを決定します。Eの平均が2000 ksi未満の場合、Ctは0.02にセットされます。Eの平均が2000 ksiと10000 ksiの間の場合、Ctは0.03にセットされます。Eの平均が10,000 ksiより大きい場合、Ctは0.035にセットされます。建築物の材料が決定できない場合、Ctは0.035にセットされます。Ctは、秒/フィート¾または秒/メートル¾単位です。単位がフィートの場合はCt < 0.42、単位がメートルの場合はCt > 0.42です。

考え方

地震荷重ジェネレータは、Y upに対してX、Z方向の横荷重を、Z upに対してX、Y方向の横荷重を生成するために使用されます。Y upまたはZ upは、垂直軸であり、重力の方向です(「TR.5 SETコマンドの設定」のSET Z UPコマンドを参照)。基礎上の床のすべての垂直座標は正である必要があり、垂直軸は床に垂直である必要があります。 

横方向地震荷重の総和、つまりベースせん断は、UBCの該当する式を使用してSTAADにより自動的に計算されます(記号と表記はすべてUBCに準拠しています)。

1994年版UBC:式1

V = ZIC W

Rw

1985年版UBC:式2

V = ZIK · CS · W

ベースせん断Vは、1994年版の方法(式1)、または1985年版の方法(式2)のどちらかを使用してSTAADにより計算されます。ユーザーは、プログラムに指示するために適切な"ubc-spec"(「一般的な書式」を参照)を使用する必要があります。

プログラムで使用される手順

STAADは、横方向地震荷重を生成するために次の方法を使用します。

  1. DEFINE UBC LOADコマンドの後に地震地域係数と必要なubc-spec(1985年版または1994年版)を設定する必要があります。

  2. プログラムは、構造物の周期Tを計算します。

  3. プログラムは、Tを使用して適切なUBCの式によりCを計算します。

  4. プログラムは、適切な式よりVを計算します。Wは、DEFINE UBC LOADコマンドの後に設定されたSELFWEIGHTJOINT WEIGHTMEMBER WEIGHTELEMENT WEIGHTFLOOR WEIGHT、およびONEWAY WEIGHTコマンドから得られます。重量データは、示される順番にある必要があります。

    注記: 質量テーブルデータ(SELFWEIGHTJOINT WEIGHTMEMBER WEIGHTなどのオプション)とREFERENCE LOADの両方が指定されている場合、これらは結合質量に対して代数的に追加されます。
  5. 横方向地震荷重の総和(ベースせん断)は、プログラムにより、UBCの手順に従って、構造物の異なる高さに分配されます。

DEFINE UBC LOAD
ZONE 0.2 I 1.0 RWX 9 RWZ 9 S 1.5 CT 0.032
SELFWEIGHT
JOINT WEIGHT
17 TO 48 WEIGHT 2.5
49 TO 64 WEIGHT 1.25
LOAD 1
UBC LOAD X 0.75
SELFWEIGHT Y -1.0
JOINT LOADS
17 TO 48 FY -2.5
FLOOR WEIGHT
_SLAB1 FLOAD 0.045
ONEWAY LOAD
_ROOF ONE 0.035 GY