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TR.31.2.23 1997年版UBC荷重定義

この機能により、静的等価アプローチを使用したUBC 97仕様による水平地震荷重を生成することができます。この定義により、等価横荷重が水平方向に生成されます。

地震荷重ジェネレータは、Y upに対してX、Z方向の横荷重を、Z upに対してX、Y方向の横荷重を生成するために使用されます。Y upまたはZ upは、垂直軸であり、重力の方向です(「TR.5 SETコマンドの設定」のSET Z UPコマンドを参照)。基礎上の床のすべての垂直座標は正である必要があり、垂直軸は床に垂直である必要があります。 

全般フォーマット

DEFINE UBC (ACCIDENTAL) LOAD
ubc-1997-spec
seismic-weights

指定項目:

ubc-1997-spec = { ZONE f1 I f2 RWX f3 RWZ f4 STYPE f5 NA f6 NV f7 (CT f8) (PX f9) (PZ f10)}

指定項目:

Parameter説明
ZONE f1 地震地域係数。1、2、3、または4のような整数を使用する代わりに、0.075、0.15、0.2、0.3、0.4のような小数値を使用してください。
I f2 重要度係数
RWX f3 X方向の横荷重用の数値係数R
RWZ f4 Z方向の横荷重用の数値係数R
STYPE f5 地盤プロファイルタイプ。有効な値の範囲は整数1〜5です。これらは、1997年版UBCコードの表16-Jに示されている値と次のように関連しています。
  1. SA
  2. SB
  3. SC
  4. SD
  5. SE
注記: 地盤プロフィールタイプSF はサポートされていません。
NA f6 近接ソース係数Na
NV f7 近接ソース係数Nv
CT f8 方法Aに基づいて周期を計算するためのオプションのCT値注記7を参照)
PX f9 方法Bで使用されるX方向の構造物のオプションの周期(秒)
PZ f10 方法Bで使用されるZ方向の構造物のオプションの周期(秒)

地盤プロフィールタイプ(STYP)、近傍ソース係数(NA)、および近傍ソース係数(NV)と結びついた地震地域係数(ZONE)は、1997年版UBCコードの表16-Qと16-Rの地震係数Ca、Cvの値を決定するために使用されます。

ACCIDENTALオプションが設定されると、UBC仕様に従って不測のねじりが計算されます。不測のねじりの値は、各レベルの"質量中心"に基づきます。"質量中心"は、指定したSELFWEIGHT、JOINT WEIGHT、およびMEMBER WEIGHTにより計算されます。 

地震-重量 =

weight-data

地震荷重の構造の重量を設定する方法については、「一般的な重量データ」を参照してください。

注記: 荷重の生成に使用される地震荷重定義の適用に関する詳細については、TR.32.12.2 地震荷重の生成を参照してください。

設計方法

設計用ベースシヤーは、1997年版UBCコードの1630.2.1節に従って計算されます。第1の式、つまり以下に示す1997年版UBC 30-4がチェックされます。

V = CvI/(RT)⋅W

さらに、次の式がチェックされます。

式30-5 - トータル設計ベースせん断は、次の値を超えてはなりません。

V = 2.5⋅CaI/R⋅W

式30-6 - トータル設計ベースせん断は、次の値以上でなければなりません。

V = 0.11⋅CaIW

式30-7 - さらに、地震領域4の場合は、トータルベースせん断も次の値以上でなければなりなせん。

V = 0.8⋅ZNvI/R⋅W

上記の式で使用されている項の説明は、1997年版UBCコードを参照してください。

横荷重生成のためのコマンド設定には2段階あります。これが第1の段階で、DEFINE UBC LOADコマンドにより有効化されます。

プログラムで使用される手順

ベースせん断を計算するためのステップは、以下のとおりです。

  1. 構造物の周期は、条項1630.2.2.1(方法A)と1630.2.2.2(方法B)に基づいて計算されます。
  2. プログラムがメソッドBを使用して計算する周期をオーバーライドするには、UBC荷重の方向に応じて、PXまたはPZ(項f9およびf10)の値を指定します。設定された値は、方法Bを使用して計算された値と差し替えられます。
  3. 構造物の支配周期は、1630.2.2.2節に与えられる手引きに基づいて、上記に述べた2つの周期から選ばれます。
  4. 表16-Qと16-Rから、CaとCv係数が計算されます。
  5. 設計用ベースせん断は、条項1630.2.1に基づいて計算され、条項1630.5の方法を使用して各床に分配されます。
  6. ACCIDENTALオプションが設定されると、プログラムは追加のねじりモーメントを計算します。ねじりモーメントを計算する際の力までの距離は、UBC荷重の方向に垂直な各床レベルにおける建築物の寸法の5%として得られます。(1630.6節)重量が作用する各ジョイントで、そのジョイントに作用する横方向の地震力にこの偏心が乗算されて、そのジョイントにおけるねじりモーメントが求められます。
  7. Ctの値が設定されない場合は、プログラムはすべてのメンバーとプレートの弾性係数(E)を調べて、構造物が鋼、コンクリート、あるいは別の材料からできているかを決定します。Eの平均が2000 ksi未満の場合、Ctは0.02にセットされます。Eの平均が2000 ksiと10000 ksiの間の場合、Ctは0.03にセットされます。Eの平均が10,000 ksiより大きい場合、Ctは0.035にセットされます。建築物の材料が決定できない場合、Ctは0.035にセットされます。Ctは、秒/フィート¾または秒/メートル¾単位です。単位がフィートの場合はCt < 0.42、単位がメートルの場合はCt > 0.42です。
  8. STAADにおける"基礎上高さ"という表現の抽象性によって、高さhは、サポートより上を基準にします。サポートが構造物の鉛直方向高さにわたってずれている場合、"h"の明瞭な高さ方向計測基準を持たないのなら、"h"を計算できません。また、コードは、基礎上の領域のみに荷重を分配します。基礎の下に集中重量がある場合は、それらの領域に対して横荷重をどのように決めるかについては明瞭ではありません。

例1

DEFINE UBC LOAD
ZONE 0.38 I 1.0 STYP 2 RWX 5.6 RWZ 5.6 NA 1.3 NV 1.6 CT 0.037
SELFWEIGHT
JOINT WEIGHT
51 56 93 100 WEIGHT 1440
101 106 143 150 WEIGHT 1000
151 156 193 200 WEIGHT 720
MEMBER WEIGHT
12 17 24 UNI 25.7
FLOOR WEIGHT
YRA 9 11 FLOAD 200 XRA -1 21 ZR -1 41
ELEMENT WEIGHT
234 TO 432 PR 150

例2

次の例は、プログラムに横荷重を生成させるために必要なコマンドを示しています。詳細については、TR.32.12 荷重の生成を参照してください。

LOAD 1 ( SEISMIC LOAD IN X DIRECTION )
UBC  LOAD  X 0.75
LOAD 2 ( SEISMIC LOAD IN Z DIRECTION )
UBC LOAD  Z 0.75

UBC / IBC入力は、以下の例に示すように連続マーク(ハイフン)を使用して2行以上で指定できます。

DEFINE UBC ACCIDENTAL LOAD
ZONE 3.000 -
I 1.00 RWX 1.100 -
RWZ 1.200 STYP 5.000 NA 1.40 NV 1.50 CT -
1.300 PX 2.100 PZ 2.200