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D9.A.3 細長さの影響と解析上の考慮

細長さの影響は、圧縮メンバーの設計において極めて重要です。細長さの影響により、弾性解析によって得られた柱のメンバー力に付加的な力が上乗せされます。細長さの影響を考慮するには、2つの方法があります。

第1の方法は、厳密な解析を通して、二次的なモーメントを計算します。二次的なモーメントは、軸力とメンバー端部の相対変位の相互作用によって生じます。軸力と接合部の変位が弾性剛性解析によってまず決定され、次に二次的なモーメントが評価されます。

第2の方法は、弾性解析により近似的にモーメントを割り増し、柱の設計を割り増されたモーメントに対して行います。割り増されたモーメントは、主要なモーメントと二次的なモーメントを足し合わせた全モーメントと等価であると仮定しています。

STAADは、上記2つの方法に従った設計機能を備えています。第1の方法を利用するには、入力ファイルにおいて、PDELTA ANALYSISコマンドをPERFORM ANALYSISコマンドの代わりに使用する必要があります。この解析を活用するためには、すべての荷重の合成を主荷重ケースとして設定する必要があり、荷重組合せとして設定してはいけません。これは、荷重組合せは、単に力とモーメントの代数的な組合せであるのに対して、主荷重ケースでは、P-デルタ解析中は、たわみに応じて状態が更新されることによります。また、適切な荷重係数(死荷重に対しては1.5のように)がユーザーによって与えられる必要があることに注意してください。STAADは自動的に荷重係数を設定しません。上記の第2の方法は、拡大係数をコンクリート設計のパラメータとして提供することにより利用されます( D9.A.7 設計パラメータのパラメータMMAGを参照してください)。柱は、第1の方法では、軸荷重と主要な二軸曲げモーメントおよび二次的な二軸曲げモーメントすべてに対して設計され、第2の方法では、軸荷重と拡大された二軸曲げモーメントに対して設計されます。