TR.37.5 Direct解析
一般的な書式
PERFORM DIRECT ANALYSIS ( {LRFD | ASD} TAUTOL f1 DISPTOL f2 ITERDIRECT i3 (REDUCEDEI i4) (PDITER i5) (TBITER) PRINT print-options )
print-options = { LOAD DATA | STATICS CHECK | STATICS LOAD | BOTH | ALL }
本コマンドは、次を含む解析を実行するようプログラムに指示します。
- Define Direct入力で選択されたメンバーの軸剛性、曲げ剛性を80%に低減する。80%は解析に対してのみ適用される。
- Notional荷重を含む静的ケースを解く。
- Smallデルタ解析の手順により反復Pデルタの反復を実行(デフォルトは15反復)。
- 変位に関する連立一次方程式を解く。
- AISC 05 Direct Analysis Appendix 7のTau-bを、必要強度-降伏強度関係に基づいて計算する。
- 全体ジョイント剛性マトリックスを再構成する。
- 変位に関する連立一次方程式を解く。
- 収束するまで、またはITERDIRECT反復となるまで手順c)~g)を繰り返す。
Direct解析は、荷重ケースの組み合わせの2次効果を、それらがREPEAT LOAD設定(「TR.32.11 繰り返し荷重の設定」)とREFERENCE LOAD設定(「TR.33 参照荷重ケース - 応用」)を用いて定義された場合に限って、正しく考慮します。Direct解析は、LOAD COMBINATIONSケースに対しては実行されません。
Notional荷重は、DEFINE NOTIONAL表を使用して定義する必要があります。
初期Tau-b値、低減された軸剛性、低減された曲げ剛性を持つメンバーのリストが、DEFINE DIRECT表を使用して入力される必要があります。
NOTIONAL LOADSの詳細については、「TR.31.7 Direct解析メンバーの定義」と「TR.32.13 Notional荷重」を参照してください。
Pデルタ反復荷重調整は、フレームメンバーのみに対して計算されます。プレート要素、またはソリッド要素に対しては計算されません。結果はP-ラージデルタとP-スモールデルタの効果に基づきます(「TR.37.2 P-デルタ解析オプション」のオプション1を参照)。
収束が起きるのは、すべてのメンバーにおいて2つの連続する反復過程のtau-b値が許容差TAUTOL以内の同一となり、かつ2つの連続する反復過程の変位と回転が許容差DISPTOL以内の同一となるときです。
LRFDがデフォルトです(作成されるすべての荷重の係数は1.0です)。ASDが入力されると、PデルタとTau-bの計算において荷重は1.6倍されます。ASDの最終的な結果は、最終的な変位を1.6で割ったものに基づきます。
結果の変位が発散する場合は、P-デルタ反復は終了し、その荷重ケースに対して現在の反復結果が最終的な結果として使用されます。
パラメータ名 | 既定値 | 説明 |
---|---|---|
TAUTOL f1 | 0.01 | Tau-b許容f1は通常0.001~1.0です。 |
DISPTOL f2 |
0.01インチ(変位) 0.01ラジアン(回転) |
変位許容f2は、厳し過ぎるべきではありません。値は現長さ単位のものです。 |
ITERDIRECT i3 | 1 | 反復数の限界。i3の値は、通常1~10の値で十分です。 |
REDUCEDEI i4 | 1 |
整数i4は、メンバーの断面モーメントと断面変位に対して低減されたEI(Tau-b×0.8×EI)を使用するかどうかを設定します。
|
PDiter i5 | 15 | Direct解析中のSmallデルタ解析法による反復Pデルタ解析で使用される反復数i5。5~25反復が通常の範囲。デフォルトが推奨されます。 |
TBITER | - | このコマンドが存在する場合、解析手順でTau-bが繰り返されます。 |