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TR.25.2 要素オフセットの設定

このコマンドは、プレート要素のコーナーを全体ジョイントから剛体的にオフセットし、プレート要素のコーナーのオフセット条件をモデル化する際に使用されます。

一般的な書式

要素のオフセットは、次のどちらかの方法を使用して指定することができます。
  1. ローカル方向または全体方向の各ジョイントについて
  2. 要素のローカルZ軸に沿ったオフセット
element-list { JT1 | JT2 | JT3 | JT4 } ( LOCAL ) f1 f2 f3

または

element-list ZOFF { f4 | f5 f6 f7 f8 } 

指定項目

Parameter説明
JT1 | JT2 | JT3 | JT4 特定の要素のジョイント生成に基づく要素ジョイント番号。たとえば、JT1は、その要素のジョイント生成リストで指定された最初のジョイントに使用されます。三角形プレートの場合はJT4を使用しないでください。
f1f2f3 (JT1、JT2、JT3、またはJT4として設定される)プレートジョイントからリストの要素に関連付けられたコーナー点の中心面までの、ローカル座標系、または全体座標系での距離に相当します。

JT4に指定されたローカルオフセット

注記: ジョイントオフセットによって得られるオフセットコーナーは、サーフェスが歪むのを防ぐために、同一平面上にある必要があります。
LOCAL 距離f1f2f3がジョイントを基準としたメンバー座標系にあることを示すオプションパラメータ。入力しなかった場合、f1f2f3は全体座標系にあります。
f4 4つすべてのジョイントに使用するZオフセット距離。ローカル座標系において、サーフェス面に対してローカルZ軸方向に垂直なジョイントから測定されます。これにより、ジョイントと平行な要素全体のオフセットが一定になります。

一定のZオフセット

f5f6f7f8 4つのジョイントのそれぞれに使用するZオフセット距離を順に指定します。これらの距離は、ローカル座標系において、サーフェスに対してローカルZ軸方向に垂直なジョイントから測定されます。三角形プレートの場合はf8を使用しないでください。

異なる距離を使用したZオフセット

注記: ジョイントオフセットによって得られるオフセットコーナーは、サーフェスが歪むのを防ぐために、同一平面上にある必要があります。

説明

このコマンドは、与えられる生成ジョイントとコーナー点が共通でない要素に対して使用可能です。このコマンドによって、要素の偏心によって誘発される2次的な力を考慮することが可能になります。要素のオフセットは、要素の面内軸に一致する方向も含めた任意の方向に設定可能です。

注記
  1. 要素荷重(「TR.32.3 要素荷重の設定」を参照)が、要素のオフセットの設定されている要素に作用する場合、荷重の位置は、全体ジョイントの座標ではなくオフセットコーナーの位置を基準とします。
  2. プレートオフセットは、定常状態、幾何学的非線形、座屈、ケーブル、不整の解析タイプには適用されません。それらの解析で使用すると、エラーメッセージが生成されます。プッシュオーバー解析についても、その解析タイプで使用できる要素(サーフェス、プレート、またはソリッド)がないため、プレートオフセットは適用されません。
  3. プレート領域、歪んだ要素のチェック、およびローカル要素座標は、コーナー点のオフセット座標に基づきます。
  4. 静的地震荷重ではプレートオフセットは無視されます。
  5. ジョイント荷重はプレートには適用されないため、ジョイント荷重ではプレートオフセットは無視されます。
  6. 床のダイアフラムの場合は、SET MASS 1コマンドを使用して、質量中心の計算中にプレートオフセットが考慮されるようにします。このコマンドを使用しない場合、この計算ではプレートオフセットは無視されます。SET Y UPコマンドを使用して質量のモデリングを行う必要があります。

次のコード例は、この仕様の使用方法を示しています。

ELEMENT OFFSET
* All 4 joints of plate 1 are offset by 7 units in the local z direction.
1 ZOFF 7

* All 4 joins of plate 2 are offset by the units specified in the local z
* direction, in the order of the joint incidience.
2 ZOFF 7 7.5 7 7.5

* The first joint in the incidence of plate 3 is offset by 7 units in the
* local z direction.
3 JT1 LOCAL 0 0 7

* The second joint int he incidence of plate 4 is offset by 7.5 units in
* the global X direction.
4 JT2 7.5 0 0

一定のオフセットの例

次のオフセット方法では、要素番号1についてすべて同じ結果が得られます。

異なる方法を使用した要素の均一オフセットの例

注記: 実際には、このモデルでは、要素のオフセットにこれらの方法のいずれか1つのみが使用されます。
UNIT INCH
JOINT COORDINATES
1 0 20 20
2 0 20 0
3 15 0 0
4 15 0 20
…
ELEMENT INCIDENCES
1 1 2 3 4
…
ELEMENT OFFSETS
* 1) Using global coordinates at each joint
1 JT1 3 4 0
1 JT2 3 4 0
1 JT3 3 4 0
1 JT4 3 4 0

* 2) Using local coordinates at each joint
1 JT1 LOCAL 0 0 5
1 JT2 LOCAL 0 0 5
1 JT3 LOCAL 0 0 5
1 JT4 LOCAL 0 0 5

* 3) Using a single Z offset
1 ZOFF 5

* 4) Using the same Z offset at each corner
1 ZOFF 5 5 5 5

物理モデリングのオフセットの例

次の例は、要素のオフセットを使用して、コンクリートの壁が分析モデルのメッシュセンターラインとどのように交差するかに関する"実際の"物理特性をモデル化する方法を示しています。右側の隣接する壁には、要素の分析ノード(n1、n2)から、壁の交差部分の上部と下部にあるWPへのオフセットがあります。

要素のオフセットで表される作用点(WP)の例

UNIT INCH
ELEMENT OFFSETS
1 JT1 LOCAL 6 0 -4
1 JT2 LOCAL 6 0 -4