STAAD.Pro Help

TR.31.2.21 トルコの地震コード

このコマンドのセットは、災害地域に建設される構造物用の規定; パート – III - 地震災害の防止(Specification for Structures to be Built in Disaster Areas Part – III – Earthquake Disaster Prevention)1998/7/2改訂、広報No. 23390(英語版)による地震解析に対して、等価静的横方向荷重を生成するパラメータを定義するために使用されます。これはトルコの地震規定(Turkish Seismic Provisions)と呼ばれます。

地震荷重ジェネレータは、Y upに対してX、Z方向の横荷重を、Z upに対してX、Y方向の横荷重を生成するために使用されます。Y upまたはZ upは、垂直軸であり、重力の方向です(「TR.5 SETコマンドの設定」のSET Z UPコマンドを参照)。基礎上の床のすべての垂直座標は正である必要があり、垂直軸は床に垂直である必要があります。  

一般的な書式

STAADは、横方向地震荷重を生成するために次の方法を使用します。

DEFINE TURKISH LOAD
tur-spec
weight-data

地震荷重の構造の重量を設定する方法については、「一般的な重量データ」を参照してください。

指定項目:

tur-spec = { A f1 TA f2 TB f3 I f4 RX f5 RZ f6 (CT f7) (PX f8) (PZ f9) } 
Parameter説明
A f1 有効地盤加速度係数、Ao。表6.2を参照。
TA f2 スペクトル特性周期、TAとTB。これらは、ユーザーによって入力され、表6.4にあります。
TB f3 スペクトル特性周期、TAとTB。これらは、ユーザーによって入力され、表6.4にあります。
I f4 構造物の地震重要度係数。
RX f5 それぞれ構造物のX、Z方向に沿う挙動係数(R)。これらは、ユーザー入力であり、表6.5を参照してください。
RZ f6 それぞれ構造物のX、Z方向に沿う挙動係数(R)。これらは、ユーザー入力であり、表6.5を参照してください。
CT f7 時間周期を計算するためのオプションのCT値。2000年版IBCの1617.4.2.1節の式16-39、およびASCE 7-02の9.5.5.3.2節の式9.5.5.3.2-1を参照してください。
PX f8 2000年版IBCの1617.4.2節およびASCE 7-02の9.5.5.3節より導かれる値の代わりに、構造物の基本周期として使用されるX方向の周期(秒)。
PZ f9 2000年版IBCの1617.4.2節およびASCE 7-02の9.5.5.3節より導かれる値の代わりに、構造物の基本周期として使用されるZ方向の周期(秒)。
WEIGHT w リストに関係するジョイントの重量
UNI v1 v2 v3 v1の等分布荷重を指定するときに使用します。等分布荷重は、メンバー始端からの距離v2から始まり、メンバー始端からの距離v3で終わります。v2v3を省略すると、荷重は、メンバー全長にわたると仮定されます。
CON v4 v5 v4の集中荷重をメンバー始端からの距離v5に適用するように指定するときに使用します。v5を省略すると、荷重がメンバーの中央に作用すると仮定されます。
PRESSURE p1 選択されたプレートの単位面積当たりの重量。プレート全体にわたって一定であると仮定されます。

プレート要素がモデルの一部である場合は、Element Weightが使用され、プレートに作用する等分布圧が重量計算において考慮されます。

はりによって囲まれる領域に圧力が作用する場合、Floor Weightが使用されますが、領域を構成するスラブのようなエンティティは、構造モデルの部分として定義されません。FLOOR LOADSを使用するのと同様な状況で使用されます(詳細については、「TR.32.4.3 床荷重の設定」を参照してください)。

注記: 荷重の生成に使用される地震荷重定義の適用に関する詳細については、TR.32.12.2 地震荷重の生成を参照してください。

ベースせん断

横方向地震荷重、つまりベースせん断Vtの最小値は、6.7.1節の式6.4に従って自動的に計算されます。

V t = W A ( T 1 ) R a ( T 1 )
意味
T1
=
構造の基本周期

ただし、Vt は次の値以上でなければなりません。

V t , min = 0.10 A 0 I W

上記の式の地震荷重低減係数Ra (T1)は、次のコードの式6.3aと6.3bに基づいて決定されます。

R a ( T 1 ) = 1.5 + ( R 1.5 ) T 1 T a ただし、 0 T 1 T a R ただし、 T 1 > T a

いずれかの方向の構造物の挙動係数、RXとRZは、計算の方向に沿ってユーザー入力(変数f5f5)を通して与えられます。スペクトル特性周期、TAとTBもパラメータ(変数f2f3)を通してユーザーにより与えられます。

意味
Ra
=
いずれかの方向の構造物の挙動係数、RXとRZは、計算の方向に沿ってユーザー入力(変数f5f5)を通して与えられます。
Ta, Tb
=
スペクトル特性周期、TAとTBはパラメータ(変数f2f3)を通してユーザーにより与えられます。
T1
=
考慮対象の方向の基本横方向周期であり、次のように決定されます。
  1. hnがメートルで与えられる次の経験的式により計算されます。

    T1 = CT [hn] ¾

    CTは、鋼モーメントフレームに対する0.075、コンクリートモーメントフレームに対する0.085、あるいはユーザー設定の任意の値が仮定されます。

  2. 周期は、レイリーの方法によっても計算されますが、ユーザー設定の時間周期(PX、PZ)によってオーバーライド可能です。

方法(a)に基づいて計算された時間周期は、1.0 secよりも大きくなく、かつこの周期の1.3倍が、方法(b)に基づいて計算される同じものよりも大きくない場合、その後の計算において使用されます。そうでない場合は、方法(b)に基づいて計算された時間周期が使用されます。

A(T1)
=
スペクトル加速度係数であり、式6.1に従って次のように決定されます。

A(T1) = Ao I S(T1)

AoとI
=
有効地表面加速度係数、および建築重要度係数であり、荷重定義パラメータを通してユーザーにより与えられ、それぞれ、コードの表6.2と6.3にあります。
S(T1)
=
スペクトル係数であり、次の式で計算されます。元のコードでは、式6.2a、6.2b、および6.3cにあります。
S ( T 1 ) = 1 + 1.5 T 1 T A ただし、 0 T < T A 2.5 ただし、 T A T T B 2.5 ( T B T 1 ) 0.8 ただし、 T B < T
W
=
建築物の重量であり、次の式を用いて内部的に計算されます。
W = i = 1 n W i
Wi
=
レベルiに位置する、または割り当てられるWの部分です。

鉛直方向分布

4.1.8.11(6)によれば、全横方向地震力Vは、その一部であるFtが建築物の頂部に集中して作用するように分配されます。つまり次のようになります。

ΔFN = 0.07 T1 Vt

  • ただし、ΔFNは、0.20Vtを超えないものとし、
  • かつ、HN ≤ 25 mの場合、ΔFN = 0です。
残りの部分(V- ΔFN)は、頂部を含めた高さ方向に沿って、次の式に従って分配されます(式6.9による)。

Fi = (Vt - ΔFN ) wi Hi / Σ wj Hj

意味
Fi
=
レベルiに作用する横方向力
ΔFN
=
構造物の頂部に集中して作用するVt の一部
Wi,Wj
=
それぞれレベルi、jに位置する、または割り当てられるWの一部
i
=
レベルiは、建築物における任意のレベルであり、i = 1は、基礎上の最初のレベルです。
N
=
レベルNは、構造物の主要部分の最上部です。

DEFINE TUR LOAD
A 0.40 TA 0.10 TB 0.30 I 1.4 RX 3.0 RZ 3.0 
SELFWEIGHT
JOINT WEIGHT
17 TO 48 WEIGHT 7
49 TO 64 WEIGHT 3.5
LOAD 1 EARTHQUAKE ALONG X
TUR LOAD X 1.0
PERFORM ANALYSIS PRINT LOAD DATA
CHANGE