STAAD.Pro Help

TR.14.2 要素メッシュの生成

このコマンドのセットは、有限要素メッシュを生成するのに使用されます。その手順は、より小さいエレメントに続けて分割される親エレメントの定義を含みます。

説明

ヒント: 一般的には、メッシュをパラメトリックに生成して(「TR.14.1 パラメトリックメッシュモデル」を参照)、メッシュの作成後にメッシュパラメータを変更できるようにすることをお勧めします。
注記: この方法で要素メッシュを生成する場合は、1種類の操作を行います。つまり、これらのコマンドを使用してSTAAD.Pro入力ファイルを保存すると、これらのコマンドが、このコマンドの結果として生成されるノードと要素に置き換えられます。

これは、エレメント生成の第2の方法です。大きなエレメントを多数の小さなエレメントに分割する必要のある場合、この機能を使用して、ジョイント番号とジョイント座標、エレメント番号とエレメントを自動的に生成することができます。この機能の利用は、2つの部分からなります。

  1. 親エレメントの境界点の定義 -親エレメントは、4つの境界点、または8つの境界点により定義されます(下図参照)。境界点は、一意のアルファベット(大文字のA-Zまたは小文字のa-z)とそれに対応する座標によって表されます。したがって、52文字のうちの4文字、または8文字は、親エレメントの境界を定義するのに使用可能です。4点が親エレメントを定義するのに使用される場合、親エレメントの各辺は、その辺を定義する2点を結ぶ直線の境界を持つと仮定されます。8点が使用されると、各辺はその辺を定義する3点を結ぶ滑らかなカーブであるとします。
  2. 子エレメントの生成 -境界の点(上記に説明したように、4、または8)を使用して親エレメントを定義し、必要な子エレメントの全数を設定します。

一般的な書式

DEFINE MESH
Ai xi yi zi ( { CYLINDRICAL, RCYLINDICRAL } ( x0, y0, z0 ) )
Aj xj yj zj ( { CYL, RCYL } ( x0, y0, z0 ) )
GENERATE ELEMENT { (QUADRILATERAL), TRIANGULAR }
MESH Ai Aj … n1 (n2)
MESH Am An … n3 (n4)

(21までのメッシュ入力行)

指定項目:

Parameter説明
AiAj A-Zまたはa-zの文字。最大数は52です。
xiyizi 境界点Ai用の座標値。
x0y0z0 CYL(円筒)またはRCYL(逆円筒)オプションを使用する場合の円筒座標系の原点のデカルト座標(オプション)。デフォルトでは、モデルのグローバル原点(0,0,0)になります。

3つのフィールド(xiyizi)は、Ai JOINT jnを代わりに入力することによって、JOINT COORDINATEコマンドで座標が定義されるジョイント番号により置き換え可能です。

Parameter説明
AiAjAk 4つ、または8つの境界点によって定義される矩形親エレメント。
n1 親エレメントの辺A i Ajに沿ったエレメント数(28以下にする必要があります)。
n2 親エレメントの辺A j Akに沿ったエレメント数(28以下にする必要があります)。

n2が省略される場合、つまり、n1のみが与えられる場合は、n1は親エレメント内のエレメントの総数を表します。この場合、n1は、ある整数の2乗である必要があります。

制限

MESHコマンドは、21までという制限があります。ジョイントは33,000まで、エレメントは67,000まで生成可能です。このコマンド設定後のモデル内のジョイント総数は、100,000以下にする必要があります。 

注記

全座標は、現単位系で設定されます。この機能の使用中は、ユーザーは次の点に留意する必要があります。

  1. すべての親エレメントは、4ノード、または8ノードである必要があります。4ノードの親エレメント用に生成されたエレメントは、親エレメントの直線辺を持ち、8ノードの親エレメントから生成されるエレメントのジョイントは、曲線上にあります。

    A)4ノード親エレメント用に生成されたメッシュ B)8ノード親エレメント用に生成されたメッシュ

    親エレメントのメッシュ生成

  2. 共通の境界を持つ2つの親エレメントは、共通の境界に沿って同じ数のエレメントを持つ必要があります。
  3. 連続する親エレメント - MESHコマンドは、親エレメントを定義します。このMESHコマンドの連続は、1つが定義され、次の親エレメントはこれに接続されるようになっている必要があります。したがって、利便性のため、最初の親エレメントは、最大数の親エレメントと結合されている必要があります。ここに示されるタンクの例では、底部の親エレメントが初めに設定されます。
  4. このコマンドは、MEMBER INCIDENCEELEMENT INCIDENCEセクションの後に使用され、MEMBER PROPERTIESELEMENT PROPERTIESセクションの前に使用される必要があります。内部的に生成されるエレメントは、最後のメンバー/エレメントに1を足した数から始まり、1ずつ増える連続的な番号です。同様に、内部的に生成される追加のジョイントは、最後のジョイントに1を足した数から始まり、1ずつ増える連続的な番号です。ジョイント番号とメンバー/エレメント番号は、1から1ずつ増加する連続したものとするようにお勧めします。
  5. メッシュに切られる親エレメントを持つメンバーがある場合、親エレメントをメッシュ切りする結果、いくつかの新しいジョイントが共通境界上に発生する可能性があるため、ユーザーは、MEMBER INCIDENCEセクション自身において要求される追加、修正に気を付ける必要があります。次の図を参照してください。

    親エレメント上の追加のジョイント

    注記: メンバーが点Aと点Bの間にある場合、ユーザーは、このメンバーを4つの部分に分割する必要があります。メンバーは自動的にメッシュ切りされません。
  6. 子エレメントは、親エレメントと同じ方向(時計回り、または反時計回り)を持ちます。4つの点A、B、C、Dによって境界が決まる親エレメントに対しては、ABCD、BCDAなどが時計方向の場合、CBAD、DCBAなどは反時計方向となります。ある親エレメントがABCDと表される場合、その中のすべての子エレメントは、この例では時計方向となります。
  7. 子エレメントの生成は、入力ファイルにおいて、'MESH...'の後に'PRINT ELEMENT INFORMATION'コマンドを与えることにより得られます。
  8.  STAADの入力ファイルがJOINT COORDINATESMEMBER INCIDENCESELEMENT INCIDENCES、およびMESH GENERATIONに対するコマンドを含む場合、それらは次の順番で設定する必要があります。

    STAAD SPACE
    UNIT  …
    JOINT COORDINATES
    …
    MEMBER INCIDENCES
    …
    ELEMENT INCIDENCES
    …
    DEFINE MESH
    …
    GENERATE ELEMENT
    … 
  9. 新しく生成されたジョイントは、既に存在するジョイントと0.001インチ以内にある場合、そのジョイントと結合されます。

入力に関する次の節は、MESH GENERATION機能の使用方法を示しており、ユーザーはこの例をExample Prob.No. 10の入力形状と比較できます。

例題10で使用されているメッシュ生成

STAAD SPACE TANK STRUCTURE WITH
* MESH GENERATION
UNIT  . . .
DEFINE MESH
A 0 0 0 ; B 0 20 0 ; C 20 20 0
D 20 0 0 ; E 0 0 -20 ; F 0 20 -20
G 20 20 -20 ; H 20. 0. -20
GENERATE ELEMENT
MESH AEHD 16
MESH EABF 16
MESH ADCB 16
MESH HEFG 16
MESH DHGC 16
A)典型的な四角形エレメント B)典型的な三角形エレメント

典型的な生成エレメント