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TR.31.2.18日本の地震荷重

このコマンドの目的は、UBCに概要が示される静的等価アプローチと同様な方法を用いる日本仕様の等価静的地震荷重を定義し、生成することにあります。この定義により、等価横荷重が水平方向に生成されます。この実装は、"建築基準法施行令第88条(2006年)"に従っています。

全般フォーマット

DEFINE AIJ (ACCIDENTAL) LOAD
AIJ-spec
weight-data

地震荷重の構造の重量を設定する方法については、「一般的な重量データ」を参照してください。

指定項目:

AIJ-spec
 = { ZONE f1 CO f2 TC f3 ALPHA f4 }

指定項目:

Parameter説明
ZONE f1 地域係数(0.7、0.8、0.9、または1.0)
CO f2 標準層せん弾力係数(0.2または1.0)
TC f3 支持地盤種別により定義される周期(0.4、0.6、または0.8秒)
ALPHA f4 建築物の全高さに対する鉄骨造部分の高さの比、Rtの計算に使用されます。

AIJ地震荷重の生成

主荷重ケースで日本の地震荷重を提供する全般フォーマット:

LOAD i
AIJ LOAD {X | Y | Z} (f5) (ACC f6)

指定項目:

Parameter説明
LOAD i 荷重ケース番号
AIJ LOAD { X | Y | Z } f5 水平地震荷重に乗算するオプションの係数。
ACC f6 不測のねじりの倍率係数であり、AIJ不測のねじり荷重に乗算されます(デフォルト=1.0)。負の値を指定できます(負でない場合は、生成される横荷重の方向に基づいて、MYのデフォルトの符号が使用されます)。 
注記: 水平方向のみを選択してください。

ACCIDENTALオプションが設定されると、AIJ仕様に従って不測のねじりが計算されます。不測のねじりの値は、各レベルの"質量中心"に基づきます。"質量中心"は、ユーザーが設定するSELFWEIGHT、JOINT WEIGHT、およびMEMBER WEIGHTにより計算されます。

注記: 荷重の生成に使用される地震荷重定義の適用に関する詳細については、TR.32.12.2 地震荷重の生成を参照してください。

地震荷重ジェネレータは、Y upに対してX、Z方向の横荷重を、Z upに対してX、Y方向の横荷重を生成するために使用されます。Y upまたはZ upは、垂直軸であり、重力の方向です(「TR.5 SETコマンドの設定」のSET Z UPコマンドを参照)。基礎上の床の垂直座標は、正である必要があり、垂直軸は、床に垂直である必要があります。

設計方法

地震地域係数とパラメータ値は、DEFINE AIJ LOADコマンドを通してユーザーにより提供されます。

プログラムは、建築物の固有周期Tを、以下の式を用いて計算します。

T = h(0.02 + 0.01α)

意味
h
=
建築物の高さ(m)
α
=
全高さに対する鉄骨造階の占める高さの比

設計用スペクトル係数Rtは、TおよびTcを使用して次のように計算されます。

R t = 1.0  ただし、  T < T c 1 0.2 ( T / T c 1 ) 2  ただし、  T c T 2 T c 1.6 T c / T  ただし、  2 T c < T
意味
Tc
=
Rt用の支持地盤種別により定義される周期

αi は、Define AIJ Loadコマンドで指定された重量値から計算されます。

αi = Wi / W

意味
Wi
=
最上階からi階までの重量の総和。
W
=
全重量

床の地震係数Ciは、次の式を使用して計算されます。

Ci = Z Rt Ai Co

意味
Z
=
地域係数
Co
=
標準層せん弾力係数
A i = 1 + 2 T ( 1 / a i a i ) 1 + 3 T

各床の地震荷重せん断力Qiは、CiとWiによって計算されます。

Qi = CiWi

意味
Wi
=
最上階からi階までの重量の総和

各床の荷重値Pは、地震荷重せん断力Qiより計算されます。

Pi = Qi– Qi+1

全横方向地震荷重Vsは、プログラムによって異なる高さレベルに分配されます。

DEFINE AIJ LOAD
ZONE 0.8 CO 0.2 TC 0.6 ALPHA 1.0
JOINT WEIGHT 
51 56 93 100 WEIGHT 1440
101 106 143 150 WEIGHT 1000
151 156 193 200 WEIGHT 720
LOAD 1 ( SEISMIC LOAD IN X)
AIJ LOAD X