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P. 有限要素のコンターのロジック

有限要素の結果の値を理解しやすくなるように、STAAD.Proには設定可能な一連のオプションを使用してプレートの結果を表示する方法がいくつか用意されています。このセクションでは、選択したオプションを使用して構造図に色を付ける方法について説明します。

解析によって各プレートの中心の有限要素の結果が判定され、「プレート中心応力」テーブルでレポートされます。これはコンターデータの主要なソースであり、各プレートの中心の色を決定するために使用されます。

基本的なロジックとして、コンターはプレートの中心とノードの値を使用して作成されます。最大値と最小値から、コンターが生成される範囲が自動的に決まります。既定の設定では、範囲を均等に16分割して等間隔のバンドが定義されます。

結果は次のどちらかで表示できます。

  1. 線 - 「通常ライン」オプションを使用

    この場合、プレートの表面に色付きの線が等しい値のコンターとして描画されます。指定された値のコンターが各線の色で表されます。

  2. カラーブロック - 「通常フィル」オプションまたは「強化フィル」オプションを使用

    この場合、凡例で指定された2つの制限の間の値を持つ領域が色付きのゾーンで表されます。たとえば、次の凡例では、0.5 N/mmの値は0.428と0.594の範囲内にあるため、明るいオレンジ色で表示されます。

コンターの線またはゾーンのレイアウトは、次のどちらかの値を使用して決定されます。

  1. 「プレート中心応力」テーブルでレポートされた解析結果から直接取得されるプレートの中心の値。
  2. 2つの方法のどちらかを使用して決定することができるプレートのノードの値。使用する方法は、「中心応力によりインデックス」オプションを使用して指定します。
    1. このオプションをオフにすると、ノードの値は、そのノードで接続されているすべてのプレートについての「プレートコーナー応力」テーブルでレポートされるすべてのノード結果の値の平均になります。
    2. このオプションをオンにすると、そのノードで接続されている各ノードの値が次の式を使用して計算されます。
      σ node = σ center L 2 L 2
      意味
      σ center
      =
      プレートの中心の値
      L
      =
      プレートの中心から対象のノードまでの距離

コンター図の作成例

中心点と各ノードの結果の値を使用してコンターを作成します。中心からノードまでの傾斜を定義してから、プレートの周囲の各ノード間の傾斜を定義します。三角形がいくつか作成されてコンターで塗りつぶされます。三角形は3つまたは4つ作成されます。三角形プレートの場合は3つ、四辺形プレートの場合は中心ノードとコーナーノードを頂点とする4つになります。

ノード51、56、83、および86から構成される次の四辺形プレート(要素番号72)について考えてみます。

この四辺形プレートの例では、次の4つの三角形が作成されます。

中心点、ノード51、およびノード56で定義される下部の三角形について考えてみます。それぞれの応力結果は次のとおりです。

位置 応力(N/mm2
中心 -0.39
ノード51 0.02
ノード56 -1.50

これにより、三角形の各頂点の色(コンターレベル)が決まります。

これにより、三角形の境界(作図ライン)と交差するコンター(バンド)の数が決まります。コンターは等間隔であると仮定します(コンターの凡例が均等に分割されているため)。この例の要素では、中心からノード56までの間に次の位置で交差する7つのバンドがあります。

同様に、ノード56からノード51までの間(四角形要素の下辺)に交差するバンドが10個あります。ノード51から中心までの間には交差するバンドが3つあります。

その後、コンターが結合され、等しい値を表す点が接続されます。

この処理が三角形の要素の再分割のそれぞれに対して繰り返されます。

次に、選択した表示オプションに基づいて色付けが行われます。線は、指定されたグラデーション値に基づいて色分けされます。たとえば、ターコイズの線は、SQXの値が-0.398 N/mm2です。

カラーブロックは、凡例の区分に従って、それぞれの範囲のバンドで定義されます。たとえば、ターコイズの領域は、SQXの値が-0.233~-0.398 N/mm2のゾーンを示します。

強化フィル

強化フィルオプションは、プレートのエッジを再分割してコンター点を追加することでコンターをスムーズにする機能を提供します。この位置の値は、境界を共有するプレートの中心応力間の平均として決定されます。

たとえば、四辺形プレートは8つの三角形に分割されます。

注記: 中間エッジの値は、「中心応力によりインデックス」が選択されているかに関係なく同じ方法で決定されます。