STAAD.Pro Help

TR.27.3 基礎用自動ばねサポートジェネレータ

STAAD.Proは、フーチング、基礎マットをモデル化するために、ばねサポートを自動的に生成する機能を備えています。このコマンドは、SUPPORTコマンドの後に設定されます。

一般的な書式

SUPPORT

その後、次のどちらかを指定します。

{ joint-list ELASTIC FOOTING f1 (f2) | joint-list ELASTIC MAT | plate-list PLATE MAT } DIR { XXONLY | Y |  YONLY | Z | ZONLY } SUBGRADE f3
(PRINT) ( {COMP | MULTI } )

または

plate-list PLATE MAT DIR ALL SUBGRADE f4 (f5 f6)
(PRINT) ( {COMP | MULTI } )

指定項目:

Parameter説明
FOOTING f1 f2 弾性フーチングの長さと幅。f2が与えら得ない場合、フーチングは辺f1からなる正方形と仮定されます。
X、Y、Z 地盤ばねが生成される、全体座標系での方向。
SUBGRADE f3 弾性フーチングの現在の力/面積/長さ単位での地盤係数。
SUBGRADE f4 f5 f6 それぞれ、ALLオプションとともに使用される、X、Y、Z方向における現在の力/面積/長さ単位での地盤係数。入力されない場合は、f4、f5のデフォルトはf3です。
注記: マット基礎地盤の値の場合は、最初にYの値を指定し、その後にXとZを指定します。

地盤係数値を指定するための適切な順序と不適切な順序

注意: このコマンドをSET Z UPとともに使用しないでください。   

説明

自分でジョイントの影響面積を設定し、STAADが設定された面積を地盤係数に掛けるだけにする場合は、ELASTIC FOOTINGオプションを使用してください。これは、ばねサポートを設定するジョイントの下に直接基礎が位置するような状況に対して適当です。f1(および、正方形でないフーチングの場合はf2)の値がFOOTINGオプションでは必要です。

ジョイントに対する影響面積を(自分で設定する代わりに)STAADに計算させ、その面積をばねの剛性値を決定するために地盤係数とともに使用する場合は、ELASTIC MATオプションを使用してください。これは、スラブが土の上にあって上部構造の重量を伝達するような状況に対して適切です。全スラブを有限要素としてモデル化し、要素のノードにおいてばねサポートを生成することができます。

PLATE MATオプションは、ジョイントに対する影響面積を計算する手法以外は弾性マットと同様です。マットがプレート要素からなり、すべての影響面積がプレート領域に組み込まれる場合は、このオプションが適しています。コマンドの初めにプレートのリスト、またはYRANGE f1 f2を入力すると、ジョイントの力がこれらのプレートにかかる等分布圧を形成するのと同じ原理で、ジョイントの影響面積が計算されます。この方法は、ELASTIC MATオプションで使用されるドロネー三角分割法の主要な制約を解決しており、マットのノードによって形成される輪郭は、凸形を形成する必要があります。   

PLATE MAT DIR ALLオプションは、ばねサポートが3方向であること以外は、Plate Matと同様です。圧縮のみオプションが設定される場合、圧縮方向はY方向であると仮定されます。ジョイントにおけるYばねが緩む(離昇)場合、そのジョイントのXおよびZばねの剛性もゼロにセットされます。それ以外は、XおよびZばねは両方向に作用します。XおよびZばね用の影響面積は、Yばね用と同様のものが使用されます。地盤反力の3つの値が入力可能であり、第1がY方向、第2がX方向、第3がZ方向です。     

キーワードDIRは、ばねサポートの抵抗の方向を示すアルファベットX、Y、Z(または、XONLY、YONLY、ZONLY)の前に置かれます。X、またはY、またはZが選ばれると、ばねサポートがその方向に生成され、他の3つの方向は固定サポートを受けます。たとえば、Yが選ばれると、FYがばねによってサポートされ、FX、FZ、MYは固定、MX、MZは自由となります。XONLY、YONLY、またはZONLYが選択されると、その方向のばねサポートのみが生成されます。    

キーワードSUBGRADEは、地盤反力の値の前に置かれます。値は、SUPPORTコマンドより前の最後のUNIT宣言で設定された現単位系で与えられる必要があります。

PRINTオプションは、各ジョイントの影響面積を表示します。

圧縮のみを生じるばねを生成するには、COMPオプションを使用します。

マルチリニアスプリングを生成するには、MULTIオプションを使用します。変位-ばね定数曲線を形成するために、(マルチオプションとともに)各MATコマンドの後に関連するマルチリニア曲線入力を追加してください。この入力形式の詳細については、「TR.27.4 マルチリニアスプリングサポートの設定」を参照してください。実際に使用されるばね定数は、地盤係数(上記で入力されるf3)と影響面積(STAADにより計算される)と、曲線において入力される(曲線剛性の値は、0.0~1.0の間)siを掛けたものです。    

SPRINGS d1 f1 d2 f2 … dn fn

SUPPORTS
1 TO 126 ELASTIC MAT DIREC Y SUBG 200.
1 TO 100 PLATE MAT DIREC Y SUBG 200.
YR -.01 .01 PLA MAT DIR Y SUBG 200 MUL
SPRINGS -100 2.0 -0.51 2.0 -0.50 1.0 0.0 0.0 1000 0.0

上記の第1のコマンドは、内部的にノード1~126に弾性ばねのサポートを生成するようにSTAADに指示します。STAAD.Proは、まず各ノードの全体座標Y軸に垂直な影響面積を計算し、ノードに作用するばね定数を計算するために、影響面積に土壌地盤係数の200.0を掛けます。第2の例では、プレートのノード1~100は、地盤係数200単位を用いて生成されるばねサポートが割り当てられます。

注記

  1. 閉曲面が、ELASTIC MATコマンドを伴うジョイントリストに基づいてプログラムにより生成されます。この閉曲面内の面積が決定され、リストの各ノードの支配面積が計算されます。

    したがって、ジョイントリストの設定の他に、これらのジョイントが閉曲面を形成することを確認する必要があります。適切な閉曲面がない場合、その領域用に計算される面積が決定できず、ばね定数の値はエラーとなる可能性があります。結果として、リストは最小3ノードを持つ必要があります。

  2. リストにおいて3つの連続したノードに繋がる2つの隣合うセグメント内部角は、180度未満である必要があります。つまり、領域は外側に凸の形状である必要があります。下記の例は、凸のポリゴンが得られない状況を避けるために使用される方法を説明します。

  3. 次の図中のプレート要素100~102によって形成されるモデルに対して、1~8のノードにおけるばねサポートの生成を希望しても、ノード8における辺1-8と8-7の間の内角は、270度であり、凸な多角形であるという要求に反しているので、ELASTIC MATコマンド1つだけでは十分ではありません。

    そのため、2つのコマンドに分ける必要があります。

    1 2 3 8 ELASTIC MAT DIREC Y SUBG 200.
    3 4 5 6 7 8 ELASTIC MAT DIREC Y SUBG 200.
    

    凸多角形形状の弾性マットの生成例

    したがって、ジョイント3と8は、上記コマンドの両方の寄与を得ます。

    このコマンドは、閉領域の面が全体座標平面X-Y、Y-Z、またはX-Zに平行である場合にのみ有用です。全体座標平面に傾いた領域に対しては、ばね定数は手計算して、ばねサポートのFIXED BUTタイプを使って指定する必要があります。