D9.A.5 柱の設計

柱は、軸力、MZモーメント、MYモーメント、およびせん断力に関して設計されます。メンバーの両端がすべての荷重ケースに対して設計され、最大の鉄筋量を与える荷重が限界荷重と呼ばれます。TRACK 0またはTRACK 1が使われる場合は、限界荷重に対する設計結果のみ出力されます。一方、TRACK 2が使われる場合は、メンバーの詳細な設計結果を得ることができます。すべての荷重ケースにおける最小軸力、最大軸力、最大MZ、最大MYに対して、メンバー両端で必要なPtの値が表示されます。MMAGパラメータが使用されると、その値が柱のモーメントに乗じられます。SMAGパラメータが使用されると、その値が柱のせん断力に乗じられます。

柱の設計は、矩形、正方形および円形断面に対して行われます。矩形、正方形断面に対しては、Ptの値がMZとMYに対して別々に計算され、円形断面に対しては、Pgの値がMZとMYに対して別々に計算されます。

二軸モーメントに対する柱の設計はオプションです。BIAXIALパラメータの値が1.0の場合、プログラムは、二軸曲げに対する柱の設計を行います。それ以外は、柱の設計は常に単軸です。

設計ステップ:

軸力によって、Pt = 0.0に対する領域が決定されます。
柱が"領域 A"にある場合、Ptを増加させ、その既知のPtと既知の柱の偏心に対する許容荷重をチェックすることで設計を行います。
柱が"領域 B"または"領域 C"にある場合、与えられたPとPtに対してxnが計算され、許容モーメントに対するチェックが行われます。許容モーメントが実モーメントよりも小さい場合、設計条件を満足するまでPtを増加させます。あるいは、必要なPtがPtの最大値よりも大きくなって、柱は不合格となります。
柱が引張状態にある場合、鉄筋のみの許容引張応力を考慮して設計されます。
二軸設計が要求される場合、プログラムは次の相互作用の式を解きます。
ここで、a = 1.0+1.66666666 ´ (ratio-0.2), ratio = P/Pcap & 1.0 £ a £ 2.0, Mycap, Mzcap & Pcapは、断面耐力を表しています。
相互作用の式が満足されない場合、プログラムはPtを増加させ、Pcap、MycapとMzcapを計算し、相互作用の式を再度解きます。この過程をeqn.を満足するまで続けるか、Ptがその最大値を超えて柱が不合格となります。
二軸曲げが要求されない場合、相互作用式が満足されると仮定します（単軸設計に成功している場合）。
相互作用式が満足される場合、プログラムは鉄筋サイズを決定し、鉄筋の数を計算します。詳細な出力内容が書き出されます。

D9.A.5.1 例

UNIT KGS CMS
START CONCRETE DESIGN
CODE JAPAN
FYMAIN SRR295 ALL
FC 210 ALL
CLEAR 2.5 MEMB 2 TO 6
DESIGN COLUMN 2 TO 6
END CONCRETE DESIGN