TR.32.10.1.9 2006年版IBCに従った応答スペクトル仕様
一般的な書式
SPECTRUM comb-method IBC 2006 *{ X f1| Y f2| Z f3} ACCELERATION
{DAMP f5| CDAMP | MDAMP } ( { LINEAR | LOGARITHMIC } ) (MISSING f6) (ZPA f7) ({ DOMINANT f10 | SIGN }) (SAVE) (IMR f11) (STARTCASE f12)
コマンドは、新たな行で始める必要がある次のデータで完了します。
{ZIP f8| LAT f9 LONG f13| SS f14S1 f15} SITE CLASS (f16) (FA f17 FV f18) TL f19
指定項目:
パラメータ | 既定値 | 説明 |
---|---|---|
X f1, Y f2, Z f3 | 0.0 | X、Y、およびZ方向に適用される入力スペクトル用の係数。任意の方向、すべての方向が入力可能です。指定されなかった方向は、デフォルトでゼロになります。 |
DAMP f5 | 0.05 |
減衰比。減衰を無視するには、正確に0.0000011の値を指定してください。
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MISSING f6 |
"喪失質量"法を使用するためのパラメータ。モードにおいて表現されない質量の静的な効果を考慮します。 この喪失質量モード用のスペクトル加速度は、長さ/秒2で入力されたf6の値です(この値にはSCALEは乗算されません)。 f6がゼロの場合は、ZPA f7周波数でのスペクトル加速度が使用されます。f7がゼロまたは入力されていない場合は、33Hzでのスペクトル加速度(ゼロ周期加速度、ZPA)が使用されます。 この計算結果は、モーダル組み合わせ結果のSRSSです。 |
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ZPA f7 | 33 [Hz] | MISSINGオプションでのみ使用するゼロ周期加速度値。入力されない場合、デフォルトの33Hzとなります。値は出力されますが、MISSING f6が入力された場合は使用されません。 |
DOMINANT f10 | 1(第1モード) | 基本モード法。すべての結果の符号がモード番号f10のみが持つ符号と同じになります。モード番号f10が励起されると、スケール倍された結果が静的変位の結果として使用されます。値が入力されない場合は、モード1がデフォルトです。値0が入力されると、励起方向に最も大きな%寄与を持つモードが使用されます(1つだけの方向係数が非ゼロとなり得ます)。 |
IMR f11 | 1 | 荷重ケースにコピーされる個別のモーダル応答(スケーリングモード)の数。デフォルトは1です。抽出された実際のモード数(NM)より大きい場合は、NMにリセットされます。モード1~f11が使用されます。喪失質量モードは出力されません。 |
STARTCASE f12 | 最大荷重ケース番号+1 | IMRパラメータのモード1の主荷重ケース番号。デフォルトでは、これまでに使用された最大荷重ケース番号に1を加えた値になります。f12が以前のすべての荷重ケース番号より大きくない場合は、デフォルトが使用されます。モード2~NMの場合、荷重ケース番号は前のケース番号に1を加えた値になります。 |
ZIP f8 | 緯度と経度、およびそれを用いてSs、S1係数を決定するためのサイト位置の郵便番号 (2006年版IBC ASCE 7-02第22章) | |
LAT f9 | SsとS1係数を決定するために経度とともに使用されるサイトの緯度(2006年版IBC ASCE 7-02第22章) | |
LONG f13 | SsとS1係数を決定するために緯度とともに使用されるサイトの経度 (2006年版IBC ASCE 7-02第22章) | |
SS f14 | 0.2sのスペクトル応答加速度のマッピングされたMCE(2006年版IBC ASCE 7-02第22章) | |
S1 f15 | 1秒周期のマップされたスペクトル加速度(2000年版IBC式16-17、2003年版IBC ASCE 7-02 9.4.1.2.4-2節、2006年版IBC ASCE 7-05 11.4.1節) | |
SITE CLASS f16 | IBCコードで定義されているA~Fのサイトクラス(2000年版IBC 1615.1.1節350ページ、2003年版IBC 1615.1.1節322ページ、2006年版IBC ASCE 7-05 20.3節) | |
FA f17 | 0.2sにおけるオプションの短周期サイト係数。SCLASSがF(つまり6)に設定されている場合は、値を指定する必要があります。(2006年版IBC ASCE 7-05 11.4.3節) | |
FV f18 | 1.0sにおけるオプションの長周期サイト係数。SCLASSがF(つまり6)に設定されている場合は、値を指定する必要があります。(2006年版IBC ASCE 7-05 11.4.3節) | |
TL f19 | 長周期遷移周期(秒) (2006年版IBC ASCE 7-02第22章) |
IBC 2006は、2006年版IBC仕様において定義されるようにスペクトルを計算する必要があることを示しています。
comb-method = { SRSS | ABS | CQC | ASCE | TEN | CSM | GRP }は、各モードからの応答を組み合わせて全応答にする方法です。
CQCおよびASCE4-98の方法では、減衰が必要です。ABS、SRSS、CRM、GRP、およびTENメソッドは、スペクトル周期曲線が減衰の関数にならない限り、減衰を使用しません(後述のファイルオプションを参照)。CQC、ASCE、CRM、GRP、およびTENは、近接するモーダル振動数が起因する応答の拡大効果を含んでいます。ASCEは、より代数的な高次モードの和を含んでいます。ASCEとCQC は、より洗練された実際的な方法であり、推奨されます。
- SRSS
- 二乗法の総和の平方根。
- ABS
- 絶対値の和。この方法は非常に安全側であり、最悪なケースの組合せを表します。
- CQC
- 完全2次合成法(デフォルト)。この方法は、モードが近接する場合にSRSSの代わりとして推奨されます。
- ASCE
- NRC規制ガイド改訂第2版(2006年版)グプタ方式のモーダル組み合わせ、およびモードの剛性部分と周期的な部分が使用されます。矛盾が無い場合は、ASCE4-98の定義が使用されます。モードの周期的減衰部分の近接モード相互作用には、ASCE4-98式3.2-21(ローゼンブリュートの修正版)が使用されます。
- TEN
- 近接するモード合成の10パーセント法。NRC規制ガイド1.92(改訂第1.2.2版、1976)。
- CSM
- 2002年版IS:1893(パート1)の手順に従った近接法。
- GRP
- 近接モードのグループ化方法。NRC規制ガイド1.92(改訂第1.2.1版、1976)。
- ACCELERATOIN
- 加速度スペクトルが入力されることを示します。
- DAMP、MDAMP、およびCDAMP
- 減衰入力のソースを選択します。
- LINEARまたはLOGARITHMIC
- 入力スペクトル対周期曲線の線形または対数補間を選択して、その周期が与えられたモードのスペクトル値を決定します。デフォルトは線形です。スペクトル-周期曲線は、通常、Log-Logスケールのみにおいて線形であり、そのようなケースでは、対数内挿が推奨されます。特に、スペクトル曲線に2、3点のみが入力されている場合に推奨されます。
FILE filenameを入力すると、減衰軸に沿った補間が線形になります。
- SIGN
- このオプションを指定すると、すべての結果に対して符号付きの値が作成されます。モードの正値の二乗和が、モードの負値の二乗和と比較されます。負値の方が大きい場合、結果に負の符号が与えられます。このコマンドは、ABSオプションでは無視されます。
- SAVE
- このオプションにより、gとラジアン/秒2のジョイント加速度を含む加速度データファイル(モデルファイル名に拡張子.accが付いたファイル)が作成されます。これらのファイルはテキスト形式であり、任意のテキストエディタ(メモ帳など)で開いて表示できます。
設計方法
応答スペクトルの計算方法は、ASCE7-05 11.4節で定義されます。 以下は簡単な概略です。
- SsとS1を入力(データベースから検索するか明示的に入力)
-
計算
Sms= Fa x Ss
および
Sm1 = Fv x S1
指定項目:
FaとFvは、指定したサイトクラスA~Eに応じて、表11.4-1と11.4-2を使用して決定されます。サイトクラスFに対しては、値を与える必要があります。 これらは、ユーザーによって与えられる必要があります。表の値を使用する代わりに、FaとFvの値を設定することもできます。
-
計算
Sds = (2/3) Sms
および
Sd1 = (2/3) Sm1
スペクトルは11.4.5節に従って生成されます。
個々のモード応答ケースの生成
個々のモード応答(IMR)ケースは、他のモードとの合成前は、そのモードがスペクトル解析ケースで持つ大きさのスケールを持つモード形状です。IMRパラメータを入力すると、STAAD.Proにより、この応答スペクトルケースの最初に指定された数のモードに対して荷重ケースが作成されます(つまり、5を指定すると、最初の5つのモードに1つずつで5つの荷重ケースが生成されます)。各ケースは、他の主荷重ケースと同様の形状で作成されます。
IMRケースの結果をGUIまたは印刷機能によって確認できます。このため、構造の各点の結果に対する各モードの重要度について評価することができます。おそらく、1つか2つのモードを使用して、1つの領域/床、およびその他の場所を設計することができます。
その後の荷重ケースは、TR.32.11 繰り返し荷重の設定スケールを変えたこれらのモード、静的活荷重、および死荷重を組み合わせて使用して、内部的に整合性のある符号を持つ結果を形成することができます(通常の応答スペクトルの解とは異なる)。モード作用荷重ベクトルは、ω2×質量×スケール倍されたモード形になります。反力は、剛性マトリックスにスケール倍されたモード形を掛けたものを作用荷重から引いたものになります。
繰り返し荷重機能により、モード作用荷重ベクトルを静的荷重と組み合わせて、P-デルタまたは引張りのみとともに静的に解析することができます。
IMR荷重ケース生成の詳細については、「TR.32.10.1.1応答スペクトル仕様 - カスタム」を参照してください。