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TR.20.1 鋼材テーブルからの特性の割り当て

次のコマンドは、組立鋼材テーブルから断面特性を設定する際に利用可能です。断面タイプの指定の後に、必要に応じて追加の指定を行います。

一般的な書式

member-list TABLE type-spec table-name additional-spec 

指定項目:

Parameter説明
member-list メンバー番号のリスト。
type-spec
  = { ST | RA | D | LD | SD | T | CM | TC | BC | TB | FR }
表 1. さまざまなプロフィールタイプのtype-spec
type-spec 説明
ST 組み込みテーブルの標準的なシングル断面
RA シングル逆アングル(逆Y-Z軸。「G.4.2 Local Coordinate System」を参照)
D

ダブルプロフィール。チャンネルの場合は、背中合わせ

形状間の間隔は、SP追加仕様を使用して与えられます。



LD 長脚の背中合わせダブルアングル
SD 短脚の背中合わせダブルアングル
T I形断面から切り出されたティー断面
CM I形断面に利用可能な合成断面
TC 上カバープレート付きの断面
BC 下カバープレート付きの断面
TB

上下両方のカバープレート付きの断面

上プレートの寸法はWPTHのパラメータ値を使用して記述し、下プレートの寸法はBWBTのパラメータ値を使用して記述します。

FR

腹合わせ(先端-先端)チャンネル。

注記: チャンネル間の間隔は、下記の付加的な仕様に述べられるSPオプションを使用して与えられる必要があります。
SA スター配置(ヒール-ヒール)のダブルアングル
table-name W8X18、C15X33などのようなテーブルの断面名。 

各国のコードに基づく鋼構造設計に関するドキュメントは、鋼断面の仕様に関する情報も含んでいます。アメリカの鋼材テーブルによる断面仕様の詳細については、「 D1.A.4 Built-in Steel Section Library」を参照してください。

additional-spec
  = * {SP f1 | WP f2 | TH f3 | WT f4 | DT f5 | OD f6 | ID f7 | CT f8 | FC f9 | CW f10 | CD f11 | BW f12 | BT f13 }
表 2. 鋼断面の追加仕様
変数 説明
SP f1 次のどちらかを指定します。
  • ダブルアングル、ダブルチャンネル、またはダブルワイドフランジ断面(DLDSD、またはFR)の間の間隔。デフォルトの間隔は0.0です。
  • 合成断面に対してはリブ高さ。
WP f2 カバープレート付きI形断面の上カバープレートの幅。
TH f3 プレート(I形断面の上プレート)の厚さまたはパラメトリックチューブ断面の壁の厚さ。
WT f4 パラメトリックチューブ断面の幅。
DT f5 パラメトリックチューブ断面のせい。
OD f6 パラメトリックパイプ断面の外径。
ID f7 パラメトリックパイプ断面の内径。
CT f8 合成断面のコンクリート厚さ。
FC f9 合成断面に対するコンクリートの圧縮強度。
CW f10 合成断面のコンクリートの幅。
CD f11 合成断面のコンクリート密度(デフォルトは150 pounds/cubic ft)。
BW f12 カバープレート付きI形断面の下カバープレートの幅。
BT f13 カバー付きI形断面のカバープレートの厚さ。

詳細については、「G.6.2 Built-In Steel Section Libraries」を参照してください。

パラメトリックパイプ断面とパラメトリックチューブ断面

テーブル形状を指定する代わりに、パイプ断面とチューブ断面をパラメトリックに指定することができます。テーブル断面のパイプとチューブには、標準(ST)シングル断面のみを使用します。したがって、パイプ断面の入力形式は次のとおりです。

member-list TABLE ST PIPE OD f6 ID f7

チューブ断面の入力形式は次のとおりです。

member-list TABLE ST TUBE DT f5 WT f4 TH f3

UNIT  …
MEMBER PROPERTIES
1  TO  5  TABLE  ST  W8X31
9  10  TABLE  LD  L40304  SP  0.25
12  TO  15  PRISMATIC  AX  10.0  IZ  1520.0
17  18  TA  ST  PIPE  OD  2.5  ID  1.75
20  TO  25  TA  ST  TUBE  DT  12.  WT  8.  TH  0.5
27  29  32  TO  40  42  PR  AX  5.  IZ  400.  IY  33. -
IX  0.2  YD  9.  ZD  3.
43  TO  47  UPT  1  W10X49
50  51  UPT  2  L40404
52  TO  55  ASSIGN  COLUMN
56 TA TC W12X26 WP 4.0 TH 0.3
57 TA CM W14X34 CT 5.0 FC 3.0
この例の詳細については、「TR.20.6 メンバー特性の設定例」を参照してください。

注記

すべての値f1 - f9は、現単位で与えられる必要があります。

合成断面の場合に注意すべき点を次に示します。

  1. CMパラメータは、I形断面のみに対して割り当て可能です。CM(合成)断面は、コンクリートスラブの一部がI形鋼断面と一体となって動くと考えて得られるものです。FCは、スラブに使用されるコンクリートの強度または種類です。アメリカでは、FCはコンクリートの特定圧縮強度と呼ばれています。典型的なFCの範囲は、2.0~5.0ksi、および20~50Mpaです。
  2. コンクリートスラブの幅(CW)は(入力されない場合は)、鋼断面上フランジの幅+スラブ厚さの16倍と仮定されます。
  3. 断面の断面特性を計算するために、次を仮定して弾性係数の比が計算されます。
    • Es= 鋼材の弾性係数 = 29,000 ksi
    • Ec = コンクリートの弾性係数 = 1,802.5√(Fc) ksi

    ここで、Fc(ksi)は事前に定義されます。

メンバー特性の設定に関するその他の一般的な注意は、次のとおりです。
  1. Tパラメータは、I形断面のウェブに沿ってちょうど中間の高さで切り出されたT形断面を表しています。したがって、T形の面積は、対応するI形の面積のちょうど半分です。T形のせいは、切り出されたI形のせいの半分です。

    I形断面と呼んでいるのは、アルファベットのIのような形をした断面のことです。アメリカのワイドフランジ、イギリスのUB断面とUC断面、日本のH形断面は、すべてこのカテゴリに含まれます。したがって、日本のH形から切り出された'T'形は、H形をそのちょうど中間の高さにおいて切ることにより得られます。

    すべてのI形断面が対応するTを持つわけではありません。このことは、各国および各機関の断面ライブラリを知ることから推察されます。そのような場合、ユーザーがそのようなT断面を設定すると、プログラムは断面が存在しないというメッセージを出して終了します。

  2. また、鋼カバープレートは、I形断面のみに追加可能です。したがって、TCBC、およびTBは、I形以外のどの断面にも適用できません。