DWGファイルに保存されるセルの操作
DGNファイルをDWGフォーマットに保存すると、既存のセルライブラリを使用してデザインを開発することができます。一般に、DWGファイルフォーマットでは通常セルがサポートされないため、共有セルを使用する必要があります。ただし、DGNモデルに通常セルが含まれている場合は、DWGファイルで共有セルに変換されます。
セルへの注釈：文字入力フィールドとタグの使用
セルは、文字入力フィールドを含まない限り、DWGフォーマットへの変換時に問題なく移行します。AutoCADには、文字入力フィールドに相当する機能がありません。DWGファイルに保存されるDGNファイル内のセルに注釈を付けるには、文字入力フィールドではなく、タグを使用します。
セルでの文字入力フィールドの使用
MicroStation PowerDraftユーザーが図面に注釈を付ける場合、従来は、文字入力フィールドをセル記号に埋め込んでいました。たとえば、バルブ指定子やドア記号などのアイテムは、多くの場合、この種のセル注釈を使用して作成してきました。
DGNファイルをDWGファイルとして保存すると、セルで使用されていない文字入力フィールドは文字に変換されます。ただし、セル内の文字入力フィールドは、若干異なる形で処理されます。
DGNファイルでは、文字入力フィールドを使用して、通常セルに注釈を付けることができます（文字入力フィールドは、共有セルでは使用できません）。変換処理中に、セルに含まれる文字入力フィールドは、ブロックにリンクされたAutoCAD属性に変換されます。AutoCADでは、文字入力フィールドの値は、文字入力フィールドがMicroStation PowerDraftのセルに配置されていた位置に正確に位置付けられた属性として表示されます。
MicroStation PowerDraftのタグと同様に、AutoCADのすべての属性には関連するラベルまたは名前があります。MicroStation PowerDraftの文字入力フィールドには、ラベルが定義されないため、「名前を付けて保存」プロセスで、属性に変換される文字入力フィールドごとにラベルが自動的に生成されます。新しいラベルは、セル名に連続番号が付いたものになります。
自動生成された属性ラベルは、特にDWGの仕様上、特定の属性を使用する必要がある場合や、特定のラベルが必要な場合には不適切なことがあります。MicroStation PowerDraftでは、文字入力フィールドのラベルを保存することができないため、特定のラベルが必要とされる場合は、文字入力フィールドを使用しないでください。その代わりに、セル定義にタグを組み込みます。タグは、DGNファイルがDWGに変換されるときにブロック属性になります。
通常セルの挿入画層コントロールについて
DWGファイルに保存された通常（非共有）セルの挿入画層は、既定でセルの最初の構成要素の画層に対応します。
既定の挿入画層は、場合によっては、上書きしなければならないことがあります。たとえば、ビューポート内の画層（シートにアタッチされたモデル）がオフで、「画層の表示」が「ビュー表示」に設定されている場合、どのような状況になるか考えてみましょう。この場合、上書きを指定していない限り、フリーズされている画層に存在する挿入画層は、構成要素画層が表示されていても一切表示されません。
既定の「通常セルに画層を挿入」を上書きするには、「DWG/DXFとして保存オプション」ダイアログボックスの「通常セルに画層を挿入」フィールドで、目的の画層名を設定します。