MicroStation PowerDraft CONNECT Edition Help

バーティカルデータム

ほとんどの場合、地理座標系の再投影では、参照されるデータの緯度と経度だけが影響を受け、高さには影響しません。これは、投影元と投影先のデータムの多くの組み合わせで高さを変換できるアルゴリズムが存在しないためです。例外は、データムの1つがNAD27でその他のデータムがNAD83の場合です。この場合、MicroStation PowerDraftによってNAD27データムのデータに対応するバーティカルデータムがNational Geodetic Vertical Datum of 1929 (NGVD29)であり、NAD83データムのデータに対応するバーティカルデータムがNorth American Vertical Datum of 1988 (NAVD88)であるとみなされます。

ただし、NAD83データムのデータでもNGVD29バーティカルデータムを使用するデータや、NAD27データムのデータでもNAVD88バーティカルデータムを使用するデータを含めることができます。そのため、NAD27またはNAD83データム(あるいはHPGN相当)を使用する地理座標系(GCS)が地理座標系ライブラリから選択される場合、異なるバーティカルデータムを選択することができます。このタイプの地理座標系が選択されると、「地理座標系プロパティ」ダイアログボックスに、次に示すように「バーティカルデータム」プロパティを含む「座標システムの変更」セクションが表示されます。



「再投影設定」ダイアログボックスで「上から再投影」が"はい"に設定されている場合、VERTCONアルゴリズムと、測地データカタログvertcon.gdcで指定されたデータを使用して、高さデータが変換されます。

注記: VERTCONアルゴリズムと必要な測地データは、隣接している米国の48地域でのみ利用可能です。

たとえば、NAD83データムを使用する地理座標系が選択されていても、バーティカルデータムはNGVD29に設定されているとします。この地理座標系を使用するモデルが、NAVD88バーティカルデータムを使用してモデルへ参照され、「上から再投影」が「はい」に設定されている場合、デザインファイル内のすべての点の高さが、その点の緯度と経度で、VERTCONで算出されたNGVD29とNAVD88の高さの差によって調整されます。

高さの調整はデータが3次元の場合のみ実行できます。ただし、ドキュメント化の目的であれば、2次元ファイル内のバーティカルデータム(データムがNAD27、NAD83、HPGN、またはこれに相当する場合に限る)を選択することができます。