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ダイナミックビュー

ダイナミックビューは、モデル分析および文書化をより対話的かつ直観的なものにするという共通の目的を持った、複数の関連テクノロジの総称です。以前のデザインはただの静的なビューでした。現在ではデザインのビューをライブかつインテリジェントに作成することができ、それらはデザインの進展に従って自動的に更新されます。

一般的に、チームでプロジェクトに取り組む場合、複数のユーザーが同時に作業できるように、プロジェクトを複数のファイルに分割します。チームの各メンバーはプロジェクトの異なる要素に対して作業し、参照を使用してチーム全体でグラフィックコンテンツをやり取りします。

ダイナミックビューの概念を完全に理解できるように、用語の意味を理解しておくことが重要です。

用語 定義
デザイン 実際のサイズで描画される、デザインモデル内の要素のコレクション。このデザインは公開用ではありません。デザインは、プロジェクトを部分単位にカプセル化するので、編集しても他の単位に影響を与えません。背景用の参照のみを使用します。例:橋の3次元モデル、ショッピングモールの配線図、地面の見取り図。
デザイン構成 デザイン、デザイン構成、およびシート構成で使用する、フルサイズ(1:1)の参照のコレクション。デザイン構成とデザインとの違いは、デザイン構成が主に参照であることです。参照は、各画層のオン/オフの状態、画像属性、参照の切り取り、位置、および向きを使用して構成されます。例:3次元マスターモデル、構造上の背景図、排水調査用の現行立地条件。
図面 平面図を作成するための図面モデル内の要素と参照のコレクション。図面の場合には印刷出力時の尺度を考慮する必要がありますが、デザインの場合はその必要はありません。
シート構成 シートモデル内の参照と要素のコレクション。この要素が集まって、印刷出力が可能な最終的な図面シートになります。一般的に、シートに収まるように参照のサイズが調整され、印刷出力時の尺度が常に考慮されます。
図面境界 シートモデル上に事前定義された、図面を含めることができる領域です。これは、シートモデル上の図面の保存先と考えることができます。
注釈 強調または説明するためにモデルに追加する、文字、記号、寸法、フラグなどの詳細。
デザイン注釈 図面注釈とシート注釈は完全にプロジェクトに注釈を配置しますが、一部の注釈はデザインモデルのデザイン注釈として配置される場合があります。
図面注釈 複数のシートでさまざまな尺度で図面を表示しても図面の内容が正しく伝わるようにするために、図面モデルに配置された注釈。たとえば、部屋のラベルも図面注釈です。
シート注釈 シート固有の注釈。図面モデルからシートモデルに至るまで、どのくらい注釈を配置するかはユーザーによって大きく変わります。
マーカー 一時アイコンは、モデル内の通常の図形よりも目立つようアイコン化されています。マーカーは、保存ビュー、リンク、またはマークアップの存在を表しています。ポインタをマーカーの上に置くと、マーカーのミニツールバーが表示されます。
ミニツールバー ポインタをマーカーまたは吹き出しの上に置いたときに、一時的に表示されるコンテキストメニューの一種。ミニツールバーを使用すると、データポインタを右クリックする必要なしに、頻繁に使用するツールに簡単にアクセスできます。
ハイパーモデル ダイナミックビュー、マーカー、ミニツールバー機能の組み合わせ。これにより、プロジェクトドキュメントのすべてが自動的に3次元になるため、シートモデル、図面モデル、3次元デザインモデルの図面をすべて簡単に理解、解釈、および更新できます。


3次元デザイン構成モデルとデザイン構成モデルに配置された断面吹き出しで参照される複数のデザインモデル



図面モデルで参照される断面ビューと適用される注釈



最適な尺度でシートモデルで参照される図面モデル

図面構成‏は全体的に見て、次の6つの段階から構成されます。

  1. プロジェクトの標準 - この段階では、作業環境WorkSet全体に適用されるシードファイルおよびシードモデルを設定し、DGNライブラリファイルを構成します。

    プロジェクト標準

  2. デザイン構成 - この段階では、デザイン、デザイン構成、シート構成で使用する、およびフルサイズ(1:1)の参照のコレクションを作成します。

    デザイン構成

  3. ビュー構成 - この段階では、プロジェクトに必要なビュー(断面ビューや図面ビュー)をすべて構成します。これらのビューは、吹き出しとプレースホルダフィールドとリンクされるため、シートに追加した後に、プロジェクトの作業の進行に伴って自動的に更新されます。
  4. シート構成 - この段階では、印刷物として出力可能な最終成果物となるシートを作成します。これは、一般的に印刷尺度を考慮したものになります。
  5. スケジュールとレポート - この段階では、インデックスシートを作成し、テーブルとして配置します。また、インデックスシートからレポートを作成して、Excelまたは.csvにエクスポートすることもできます。
  6. 印刷発行、およびエクスポート - この段階では、シートを印刷または発行するほか、モデルを他のファイルフォーマットにエクスポートします。シートはプロットまたは印刷されたり、PDFに変換されたり、i-modelで発行されたりします。
図面構成では、デザイン構成段階が完了した後で、保存ビュー、図面、およびシートを自動的に作成したり、ビュー構成タスクとシート構成タスクを手動で実行したりできます。

「図面を作成」ダイアログボックスを使用したダイナミックビューの自動化

手動によるダイナミックビューの使用

図面境界と名前付き境界のツールを使用することにより、ダイナミックビューの自動化を拡大することができます。次の図は同じことを示しています。

図面境界と名前付き境界を使用したダイナミックビューの自動化

シートグラフィックを3次元デザインモデル内で表示することができるようになったことで、図形構成タスクがさらに容易になりました。