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参照テーブルからデータを取得する式

参照テーブルは、プロジェクトデータベースのフィールドに関連付けられているデータの一覧であり、通常はExcelフォーマットです。「アイテムタイプ」ダイアログボックスで式の入力を使用して、参照テーブルからアイテムタイプのプロパティ定義にデータを取り込むことができます。

注記: サポートされているExcelファイル形式は、.xlsx(Excelワークブック2007以降)と.xlsm(Excelマクロ対応ワークブック2007以降)です。

参照テーブルをアイテムタイプのプロパティ定義に関連付けるには、次の式のシンタックスを使用します。

LookUp.GetEntry("Table Name", "Key Column Name", this.Key Column Value).Property Name

以下はシンタックスの構成要素です。
  • LookUp.GetEntry - 構成変数"ITEMTYPE_LOOKUP"で参照されているExcelの参照テーブルから、データのエントリを取得します。
  • Table Name - データの抽出元となるExcelファイル内のシートの名前。
  • Key Column Name - Excelシート内で検索する列の名前。
  • Key Column Value - Excelシート内のキー列から取得する値。このパラメータは、列の値を表す行全体からデータを抽出します。
  • Property Name - キー列の値に対応して抽出されるのはプロパティ値です。

アイテムのプロパティ定義に式によって関連付けられた参照テーブルが含まれている場合、参照データは「プロパティ」ダイアログボックスの要素のプロパティに表示されます。

参照の使用には次のような利点があります。

  • データ入力の標準化
  • データ入力時にエラーが発生する可能性が減少
  • データ入力の高速化

このことを理解するために例を見てみましょう。

Excelファイルに含まれる次の情報を考えてみます。

NUMBER MANUFACTURER COLOR MODEL YEAR VIN
100 ホンダ 2010 1HLQU1520KA186392
101 フォード 2011 2FMPK4J992UC29655
102 トヨタ 2012 4T1BE32K35U614028
103 日産 スチールグレー 2013 JN1AR5EF30M005868
104 メルセデス 2014 WDBCA35EOKA488250
105 ルノー ベージュ 2015 WP0ZZZ96ZNS402013
上の表のデータをアイテムのプロパティ定義と関連付けるには、次の操作を行います。
  1. DGNファイルで、「構成変数」ダイアログボックスを開き(「ファイル」 > 「設定」 > 「構成変数」)、新しい構成変数"ITEMTYPE_LOOKUP"を作成します。
  2. この新しく作成した構成変数に、上記のデータを含むExcelファイルを指定します。
  3. 「アイテムタイプ」ダイアログボックスを開きます。
  4. 目的のアイテムタイプを選択します。たとえば、「NUMBER」、「MANUFACTURER」、「COLOR」、「MODEL」、「VIN」というプロパティ定義を持つ「Cars」というアイテムタイプを考えてみます。
  5. プロパティ定義「MANUFACTURER」を選択し、「計算されたプロパティ」セクションの「演算式」フィールドに次の式を入力します。
    LookUp.GetEntry("CarInfo","NUMBER",this.NUMBER).MANUFACTURER


  6. 目的の要素を選択し、アイテム「Cars」をアタッチします。
  7. 「アイテムをアタッチ」ツール設定値ウィンドウの「NUMBER」フィールドにドロップダウンメニューが表示され、参照テーブルの「NUMBER」列の値が表示されます。
  8. 目的の番号を選択します。たとえば、102とします。
    次に示すように、102に対応するプロパティ定義の他のフィールドの値が参照テーブルから入力されます。


  9. 要素を右クリックし、「プロパティ」を選択して、「プロパティ」ダイアログボックスを開きます。
    ここで、次のように参照情報が表示されます。