M. ブリッジデッキワークフロー
STAAD.beava(Bridge Engineering Automated Vehicle Application)モードは、ブリッジデッキワークフローに統合されています。この機能は、橋梁構造の解析に使用する荷重を生成するために使用します。
概要
橋の設計を支配する一般的な考え方では、一連の載荷ルールと拘束の下で荷重の作用によって最も不利となる効果を求めて設計対象とします。荷重作用の過程は、車線上の荷重長さ、車線係数、荷重強さなどの互いに依存するパラメータに支配されるため、複雑になる可能性があります。最大設計効果を得るには、試行錯誤して多くの荷重状況を試してみる必要があります。
このため、多くの活荷重の作用事例(と膨大な量の出力データ)を作成して、死荷重やその他荷重効果と重ね合わせることも必要になります。Bridge Deckは、国のコード要求に従う荷重作用の過程を最小化するのに使用されます。
プログラムは、荷重処理の一部としてSTAAD.Proによって生成される影響面を使用します。ブリッジデッキ上に与えられる効果に対する影響面の値は、着目点(point of interest)上の単位荷重の動きに関連付けられます。影響面は、単一メンバーの影響線(つまり、2次元影響関数)の3次元形です。
STAAD.Proは、エレメントに対する曲げモーメント、ノードの全自由度におけるたわみ、サポート反力などの効果に関する影響面を自動的に生成します。そして、関連する影響面を使用して、コード要求を考慮しながら荷重位置を最適化するようにプログラムに指示します。
影響面が生成されるとそれらは保存されて、詳細な調査が必要な場合に再利用することができます。これらは、構造モデルを変更するまで有効なままです。構造モデルに加えられた変更は影響面のパターンを変更する可能性があり、処理を進める前に追加の解析を確実に実行する必要があります。
どの効果が要求されていて、それらの効果を考慮するのにどの場所が必要であるかを決定する際には、工学的な知識と判断が重要になります。これは、処理時間を大幅に節約できる部分であり、危険となる場所を見落としていないか確認することもできます。
橋梁基準
ブリッジデッキモードは、次の基準をサポートしています。
- UK:BS 5400 Part 2
- UK:BD21/01 Chapter 5とAnnex D
- アメリカ:AASHTO ASD/LFD
- アメリカ:AASHTO LRFD
- インド:IRC Chapter 6
すべての関連コードの荷重定義と車線計算についての指示がBEAVAに組込まれており、車両の車軸が標準的ではない場合は、車両を定義してそれをライブラリに保存し、解析で使用することができます。
BEAVAは、完全にSTAAD.Pro内に統合されていて、入出力データ用に同じGUIを使用します。
車道と荷重モデリング
車道の幅を、真直ぐな平行線、または曲がった平行線として定義する必要があります。そうすると、BEAVAは選択されたコードに従って以下を自動計算します。
- Notional Lane(車線)の数
- Notional Laneのセンターラインに沿う影響線
- レーンに沿う載荷長さ
- 一様分布荷重の危険位置
- ナイフエッジ(knife edge)荷重の危険位置
- 車両荷重の危険位置
- 最大効果値
- 効果値の関連付け
上記の計算を完了すると、結果を含むテキストファイルが画面上に表示されます。結果をグラフィカルに確認することもできます。
要求される効果に対する荷重配置を、モデル上に表示可能であり、生成されるすべての荷重配置に対して、STAAD.Proの荷重ケースを作成するようにプログラムに指示することができます。通常のSTAAD.Proの荷重組み合わせ作成機能を使用して、追加された活荷重ケースを死荷重と組み合わせることができます。その後、最終的なモデルをSTAAD.Proで解析して、ポスト処理することができます。